10月のフルーツ 11月のフルーツ 農家さん紹介

希少なニホンミツバチの蜂蜜を守る—淀川農園、養蜂の取り組みとその魅力

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

先日、熊本県天草市で養蜂をされている「淀川農園」さんから「今年のハチミツが取れました」という連絡をいただき、採れた蜂蜜を送っていただきました。

これが、最高においしかったんです!

甘すぎず、優しい甘さでコクがある。そして鼻に通る香りが爽やかで「こんな美味しい蜂蜜は初めて食べた。今まで食べてきた蜂蜜はなんだったんだろう?」と思えるほど美味しかったです。

今年(2024年)の4月に天草に行って、淀川さんと直接お会いしてミツバチのことを熱く語ったいただいたんですが、その時から僕もミツバチに興味が湧き、色々と調べていたんです。

これが調べれば調べるほど奥深くて、まさに「自然の恵みをいだいているんだな」。という気持ちになりました。

ということで、今回は淀川農園さんの紹介と、ミツバチのことを紹介していこうかと思います。

日本ミツバチと西洋ミツバチ

さて、みなさんミツバチにも「日本ミツバチ」と「西洋ミツバチ」がいることはご存知でしょうか?

「え?ミツバチに種類があるの?」という方も多いんじゃないかと思います。

実は、昔からいる在来種の「日本ミツバチ」と、外来種の「西洋ミツバチ」に分かれているんですね。

日本ミツバチに比べ、西洋ミツバチは採蜜量が多いため1877年にイタリアから商業養蜂のために初めて連れてこられたそうです。

また、見た目も若干違います、日本ミツバチは西洋ミツバチに比べ一回り小さく、体毛がフサフサしています。また、色も若干黒いのが日本ミツバチの特徴です。

そして、この日本ミツバチに今、問題が発生しているんです。

日本ミツバチは近年激減していて、数が非常に少なくなっているんですね。

これを初めて聞いた時には「えー!日本ミツバチがんばれ!」と思ったのですが、色々と複雑な原因があるみたいです。

何が原因で日本ミツバチは激減しているのでしょうか?

ニホンミツバチの減少とその原因

古くから日本の自然環境に適応してきた、日本ミツバチですが、近年その数は急速に減少していると言われています。

その主な原因として挙げられるのが、「農薬の使用」「自然環境の変化」「外来種との競合」です

・農薬の使用
農薬は作物を害虫から守るために使われますが、日本ミツバチにも悪い影響を与えていると考えられています。

農薬の種類にもよりますが、日本ミツバチの神経を麻痺させる農薬があります。その影響でミツバチは方向感覚が失われ、巣に戻れなくなったり、蜜や花粉を正常に集められなくなったりすることがあるんです。

・自然環境の変化
温暖化が進んでいることはご存知だと思いますが、この温暖化もミツバチにとって悪い影響を与えています。

温暖化により季節の気温が変動し、日本ミツバチの活動時期と植物の開花時期が合わなくなってきており、餌不足が起こっています

・外来種との競合
外来種と言っても特に競合しているのが、海外から持ち込まれた西洋ミツバチとの競争が深刻な問題となっています。

西洋ミツバチと日本ミツバチは、同じ花から蜜や花粉を集めます。西洋ミツバチは採集力が高く、数も多いため、日本ミツバチが十分な食料を得られなくなっているんですね。

また、巣の場所の奪い合いも起きています。両種とも木の洞や建物の隙間などを巣にしますが、西洋ミツバチが先に良い場所を占有してしまうことがあり、日本ミツバチが巣を作る適切な場所を見つけにくくなっているんですね

このままでは、ニホンミツバチがどんどん少なくなって、絶滅してしまう可能性もあるかもしれないんです。

そこで、「希少な日本ミツバチを守っていこう」と考え、養蜂を行っているのが淀川農園さんなんです。

「日本固有の在来種である日本ミツバチを守りたい」という思いから、日本ミツバチにこだわっているなんて、素晴らしいですよね。

希少なニホンミツバチの蜂蜜を守る—淀川農園、養蜂の取り組みとその魅力

淀川農園さんの取り組みとして、「農薬を使用しない」「給餌をしない」「1年に一度しか採蜜しない」というこだわりを持っています。

・農薬を使用しない
淀川農園さんは、養蜂だけではなく、金柑や、パール柑(河内晩柑や土佐文旦に似た柑橘)や、お米を育てているんですが、これが全て無農薬で育てています。

無農薬での栽培は、病害虫の被害もあるので簡単ではありませんが、「日本ミツバチを守っていく」ということから、無農薬にこだわって作物を育てているんですね。(素晴らしい!)

でも、日本ミツバチの行動範囲は半径2キロと言われているので、そのことを考えると淀川農園さんが無農薬にこだわっていても、どこかで農薬の影響を受けることがあるかもしれません。

それでも少しでも農薬の影響を少なくしたい。という思いから「無農薬」にこだわっているんですね。

・給餌をしない
日本ミツバチ達がなるべく自然に近い環境で活動できるように、餌は与えていません。個人的には、給餌を行った方がミツバチが長生きするのかな?と考えたりもしたんですが、そこには淀川農園さんの自然環境への配慮があります。

・1年に一度しか採蜜しない
淀川農園さんは、採蜜は年に1度しか行なっていません。採蜜は年に1度じゃなくてもできるみたいですが、収蜜能力の低い日本ミツバチのことを考え採蜜は1年に一度にしてミツバチの負担を軽減しているとのことです。「日本ミツバチを増やす」ことを第一に考えています。と淀川さんは言っていました。

 

日本ミツバチの栄養価

ここで、日本ミツバチの栄養価のことも紹介しておきます。

日本ミツバチの蜂蜜は、一般的な蜂蜜よりも栄養価が高いと言われています。

その栄養成分と高い栄養価の理由をまとめました。

1. ビタミン類
ビタミンB群:エネルギー代謝をサポートし、疲労回復やストレス軽減に役立ちます。
ビタミンC:抗酸化作用があり、免疫力の向上や美肌効果が期待できます。

2. ミネラル類
カリウム:体内の水分バランスを調整し、むくみの解消に寄与します。
カルシウム:骨や歯の健康を維持し、成長期のお子様や高齢者に重要です。
マグネシウム:筋肉や神経の機能をサポートし、エネルギー代謝に関与します。
鉄分:赤血球の生成を助け、貧血予防に役立ちます。
亜鉛:免疫機能を高め、皮膚や髪の健康を促進します。

3. アミノ酸
必須アミノ酸を含み、体内でのタンパク質合成や新陳代謝に重要な役割を果たします。

4. 酵素
消化を助ける酵素が含まれており、胃腸の働きをサポートします。

5. 抗酸化物質
ポリフェノールやフラボノイド:細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があり、美容と健康をサポートします。

なるほど!

日本ミツバチの蜂蜜は、多くの栄養素が含まれているんですね。「栄養価が高い」と言うイメージは持っていましたが、思っていた通りだったんですね。

美容を意識されている女性の方、免疫力を高めたい方、疲れやすい方に良さそうですね。

それでは、なぜ日本ミツバチの蜂蜜は一般的な蜂蜜より栄養価が高いと言われているのでしょう?

その理由も調べてみたので、以下にまとめます。

1.多様な花からの蜜
日本ミツバチは広範囲のさまざまな花から蜜を集めます。そのため、蜜には多種多様な植物由来の栄養素が含まれます。

2.非加熱・無添加
加熱処理を行わない生蜂蜜であるため、熱に弱いビタミンや酵素が失われずに残っています。

3.自然養蜂の実践
給餌を行わず、ミツバチが自然の花から集めた蜜のみを使用しているため、純度が高く栄養豊富です。

なるほど!

「ミツバチが生きるために、蓄えてきた栄養のかたまりなので栄養価が高い。と考えると「そりゃそうか!」と自分の中で納得しました。

 

最後に

本日は日本ミツバチのことで、調べたことをまとめました。

いやー、日本ミツバチすごいですね!今回調べたことで、日本ミツバチがかわいく思えて「日本ミツバチを大事にしていこう」「守っていきたい」と思うようになりました。

あんな小さなミツバチが、半径2キロを飛び回り蜜を集めてきて、そのお裾分けを人間がいただいている。と考えると本当に「ありがたい」という気持ちになります。

現在、西洋ミツバチの蜂蜜に比べると、日本ミツバチの蜂蜜は1%以下しか採蜜できていないそうです。

また、これも調べてわかったことですが、日本ミツバチは一生のうちに、ティースプーン1杯分(約0.8g)の蜜しか集めることができないそうで、「幻の蜂蜜」と言われているそうです。

今回、淀川さんがサラッと送っていただいたんですが、こんなに希少で高価なものだと知らなかったです。

淀川さんがいなかったら、日本ミツバチの蜂蜜を一生食べることはなかったと思います。本当にありがとうございます。

冒頭でも言いましたが、淀川さんの蜂蜜は「今まで食べてきた蜂蜜はなんだったんだろう?」と思えるほどコクがあり、美味しかったんです、甘すぎるってことは全然ないですよ、どっちかと言うとサラッとしていて「こんなにさっぱりしているんだ!」と驚きました。

高価なものではありますが、栄養価も高いし、何よりメチャクチャおいしいので一度は食べてみることをお勧めします。

と言うことで以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ときわオンラインのヨシハマでした。

→淀川農園の蜂蜜はこちら

 

このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。

ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。

ときわオンライン(ショップ)はこちら

 

  • この記事を書いた人

ヨシハマ リョウジ

農家直送フルーツショップ「ときわオンライン」店長
スーパーでは手に入らない『無農薬フルーツ』や『地域オリジナル品種』のフルーツを探し求めて、全国の農家さんに会いにいっています。
夏場は石垣島にある「ときわマンゴー園」で農家として収穫作業。
また、「国産バナナを日本の食卓に広めたい!」という夢があり、石垣島で無農薬バナナを育てています。

-10月のフルーツ, 11月のフルーツ, 農家さん紹介
-,