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紀ノ川柿とは?果肉が黒い理由と木の上で渋を抜く技

柿 紀ノ川柿 紀の川柿 ブラックスター

紀ノ川柿とは?果肉が黒い理由と木の上で渋を抜く技

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

もし、この柿を贈り物にするなら――

僕は「何も言わずに贈る」ことをおすすめしています(笑)

理由は単純で、切った瞬間に驚かせたいからです。

「うわ、なんだこれ!?果肉が黒い!

そのあと食べて、もう一回驚く。

「なんだこの甘さとコク!」

この2段階の驚きを、そのまま渡してほしいんですよね。

今日お話しするのは、紀ノ川柿(きのかわがき)という柿です。

和歌山県紀の川市で作られている、果肉が黒い柿。

見た目のインパクトだけでなく、
作り方がとにかく変わっているんです。

今日は、

  • なぜ果肉が黒いのか(腐っているわけではありません)
  • 木の上で渋を抜くという、日本でもほとんど見ない技
  • 作る農家さんが減っている理由
  • うちが扱っている無農薬の紀ノ川柿のこと

まで、お伝えします。

読み終わる頃には、黒い柿を切ってみたくなっていると思いますよ。

それでは、いきましょう!


まず、この柿は「腐っていません」

紀ノ川柿ブラックスター

先に言っておきます。

紀ノ川柿の果肉は、黒いのが正常です。

初めて見た方は、必ずと言っていいほどこう思われます。

「傷んでるんじゃないの?」

違います。

黒いほど、甘い。

紀ノ川柿の黒さは、渋のもとが甘さの証拠に変わった痕跡なんです。

切ると、果肉全体が黒砂糖のような色をしていて、
そこにゴマのような黒いつぶつぶがびっしり入っています。

このつぶつぶの正体は、あとで詳しくお話ししますね。

まず知っておいてほしいのは、

紀ノ川柿という品種は、存在しないということです。


品種は、いちばん普通の「種なし柿」です

木箱に入った種なし柿

「紀ノ川柿」という名前の品種は、ありません。

品種でいうと、平核無(ひらたねなし)刀根早生(とねわせ)

つまり――

スーパーに並んでいる、あの普通の種なし柿と同じ品種なんです。

「え、同じなの?」

そうなんです。

違うのは品種ではなく、作り方。

平核無も刀根早生も、もともとは渋柿です。

そのまま食べると、口の中がしびれるほど渋い。

だから普通は、収穫したあとに渋を抜きます。

昔は焼酎をかけて、今は炭酸ガスで。

工場のような場所で一気に渋を抜いて、それから出荷する。

これが一般的な種なし柿です。

ところが紀ノ川柿は、まったく違うやり方をします。


木の上で、渋を抜く

袋をかけて木の上で渋抜きする柿

紀ノ川柿は、木になったまま渋を抜きます。

やり方はこうです。

手順 やること
木になっている実の一つひとつに、固形アルコールを入れたポリ袋をかぶせる
そのまま1日置く
袋の下を破って、風を通す
色づくまで木の上で熟成させる
完熟してから収穫

ポイントは、②のあとも木から取らないことです。

アルコールで渋が抜けたあと、
そのまま木の上で完熟まで育てる。

普通の種なし柿は、渋を抜いたらすぐ出荷です。

紀ノ川柿は、渋を抜いてからさらに木の上で待つ。

だから――

  • 木の上で長く育つぶん、大玉になる
  • 赤く濃く色づく
  • 糖度が上がる
  • 深いコクが出る

「木の上で完熟させた柿」というのは、それだけで珍しいんです。

この技術、実は大学の研究から生まれています

紀ノ川柿の樹上脱渋(じゅじょうだつじゅう)という技術は、
京都大学の研究成果をもとに、昭和50年代前半に和歌山県の試験場で実用化されたそうです。

つまり、50年近い歴史がある技術なんですね。

紀の川市の中でも、旧那賀町・旧粉河町のあたりで栽培されています。

僕はこの話を知ったとき、

「昔ながらの技」というより、「研究者と農家さんが一緒に作った技」なんだな、と思いました。


黒いゴマの正体は「渋が固まったもの」

柿 紀ノ川柿 紀の川柿 ブラックスター

さて、いちばん気になるところですね。

なぜ、黒くなるのか。

柿の渋の正体はタンニンという成分です。

これが水に溶ける状態(水溶性)だと、口の中で溶けて渋く感じる。

渋抜きというのは、このタンニンを水に溶けない状態(不溶性)に変えることです。

不溶性になると、口の中で溶けないので渋くない。

ここまでは、普通の種なし柿と同じです。

違いは、変化のスピードです。

比べるところ 普通の渋抜き 紀ノ川柿(樹上脱渋)
場所 収穫後、室内で 木の上で
スピード 一気に ゆっくり
タンニンの変化 細かく散らばる 大きな粒に固まる
果肉の色 オレンジ 黒砂糖色

木の上でゆっくり渋が抜けると、
タンニンが大きな褐色の粒に固まって、果肉に残る。

これが、あの黒いゴマです。

つまり――

黒いゴマは「渋が甘さに変わった証拠」。

多いほど、しっかり渋が抜けている。

不気味に見えて、実はいちばん頼れるサインなんですよね。


作る農家さんが、減っています

これだけ面白い柿なのに、正直、先行きは明るくありません。

理由は、手間です。

もう一度、作り方を思い出してください。

木になっている実の一つひとつに、袋をかける。

一本の木に何百個と実がなるわけですから、
それを全部、手作業でやる。

そして、渋が抜けたタイミングを見極めて袋を破る。

これも一つひとつです。

さらに、木の上で完熟まで待つので、
鳥や虫の被害も受けやすいし、落果のリスクもある。

普通の種なし柿なら、まとめて収穫してまとめて渋を抜けば終わります。

紀ノ川柿は、その何倍も手がかかる。

だから紀の川市でも、紀ノ川柿を作る農家さんは少なくなってきているそうです。


それでも作り続けている、グリーンジャンクションさん

柿 紀ノ川柿 紀の川柿 ブラックスター

うちで扱っている紀ノ川柿は、
和歌山県紀の川市のグリーンジャンクションさんが育てたものです。

園主の田村享也さん

桃、みかん、梅、八朔、レモン――

うちではおなじみの、すべて無農薬で育てている農家さんですね。

その田村さんが、無農薬で紀ノ川柿を作っている。

これ、けっこうすごいことなんです。

無農薬の柿は、ただでさえ難しい

柿は、農薬を使った栽培が基本の果物です。

無農薬でやろうとすると、
毛虫、病気、カメムシ――

最初の数年は、まともに実がならないと言われます。

田村さんは無農薬歴15年以上。

最初の3〜5年は毛虫や病気との戦いだったそうですが、
年数を重ねるうちに、木そのものが強くなってきたとのこと。

葉っぱが厚く、ごつくなって、毛虫がかじりにくくなっている。

市場のバイヤーさんが口を揃えて「葉っぱが違う」と言うそうです。

そして、田村さんはこうも言われていました。

農薬を使わないと、果実の毛穴が塞がれない。だから完熟したときの香りが強く出る。

紀ノ川柿は木の上で完熟させる柿です。

無農薬 × 樹上完熟

この組み合わせで香りが立たないわけがない、と僕は思っています。

「手間をかけてでも作りたい」

紀ノ川柿は手間がかかる。

無農薬は、さらに手間がかかる。

その両方をやっているわけですから、
田村さんの紀ノ川柿は、二重に手のかかった柿です。

それでも作り続けているのは、

「手間をかけてでも、この美味しい柿を作りたい」

という想いがあるからだと、田村さんと話していて感じます。

ちなみに田村さんは、19歳で誰にも頼らず新規就農した人です。

美容学校を出て、美容師として働いていたところから、農業の道へ。

「農業だけは、嫌だってならなかった仕事やったんです」

そう言い切る人が作っている柿なんですよね。

※【参考】田村さんのインタビューはこちらです。

農家さんインタビュー:グリーンジャンクションの田村さん(無農薬栽培・和歌山)


お客様の声

富有柿の食べ頃を確かめる

実際に召し上がった方の声を、少しだけ。

> カリッとした歯ごたえとさっぱりとした甘さでとても美味しかったです。作りての皆さんの誠意が伝わる品質の良い紀ノ川柿でした。お持たせで友人に渡しましたがとても喜んで「美味しかったよ」と連絡がありました。

> 昨年注文して、とても甘くて美味しかったので、今年も楽しみにしていました。とろりとして、スイーツみたいです。家族全員「甘くて、美味い!」と、食べる度に言っています(笑)

> 美しい柿、無農薬で安心で、歯ごたえも固すぎず、さくっとして美味しいです。2個目を頂いた時、既に今年分は売り切れ!!!来年を心待ちにいたしております。

「カリッと」の方と「とろりと」の方、両方いらっしゃいますよね。

これは追熟の度合いで変わります。

届いてすぐはさくっと、数日置くととろっと

どちらも紀ノ川柿の正解です。


旬と、食べ方

ミニ柿を手に持つ農家さん

● 旬

紀ノ川柿の出荷は、10月上旬〜12月中旬です。

木の上で完熟させるので、普通の種なし柿より少し遅めですね。

● 食べ方

まず、そのまま切ってください。

黒い断面を見てほしいので、皮をむいてから切るより、
皮ごと横に輪切りにするのがおすすめです。

黒ゴマ模様が、いちばんきれいに出ます。

● 保存

届いたら冷蔵庫の野菜室へ。

ヘタを下にして置くと、長持ちします。

やわらかくなったものから順に食べてください。

とろとろになったら、スプーンですくって食べるのも最高です。

※【参考】柿の保存についてはこちらにまとめています。

柿の保存方法!冷蔵・冷凍・追熟のコツ


まとめ:切って、驚いてください

柿 紀ノ川柿 紀の川柿 ブラックスター

今日のお話を、まとめますね。

  • 紀ノ川柿は品種名ではない。平核無・刀根早生を「木の上で渋抜き」した柿
  • 固形アルコール入りの袋を実の一つひとつにかぶせて、木の上で完熟させる
  • 京都大学の研究をもとに、昭和50年代に和歌山県で実用化された技術
  • 果肉が黒いのは、渋のもと(タンニン)がゆっくり固まった証拠。腐っていない
  • 黒いゴマが多いほど、しっかり渋が抜けて甘い
  • 手間がかかりすぎて、作る農家さんは減っている
  • うちの紀ノ川柿は、グリーンジャンクションさんの無農薬。二重に手のかかった柿
  • 旬は10月上旬〜12月中旬。皮ごと輪切りにすると黒ゴマ模様がきれい

冒頭の話に戻ります。

この柿は、何も言わずに贈ってください。

切った瞬間の「なんだこれ!」と、食べた瞬間の「なんだこの甘さ!」。

その2回の驚きを、そのまま届けてほしいんです。

そして驚いたあとに、
「これ、木の上で渋を抜いた柿なんだよ」と教えてあげてください。

たぶん、もう一回驚かれます(笑)

グリーンジャンクションの紀ノ川柿はこちら


本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。

ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。

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  • この記事を書いた人

ヨシハマ リョウジ

農家直送フルーツショップ「ときわオンライン」店長
スーパーでは手に入らない『無農薬フルーツ』や『地域オリジナル品種』のフルーツを探し求めて、全国の農家さんに会いにいっています。
夏場は石垣島にある「ときわマンゴー園」で農家として収穫作業。
また、「国産バナナを日本の食卓に広めたい!」という夢があり、石垣島で無農薬バナナを育てています。

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