
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
山梨・勝沼の直売所めぐりで食べたぶどうを、1品種ずつ紹介しているシリーズ。
第4回は、藤稔(ふじみのり)です。
粒がとにかく大きい、黒いぶどうです。
食べたことがある、という方も多いかもしれません。
実はこの藤稔、買ったのには理由がありました。
勝沼に行く前の晩、甲府で入ったバーのママに、
「ぶどうで一番美味しいのは、藤稔」
と言われたんです。
そして調べてみたら、あの高級ぶどう「ルビーロマン」の親だということも分かりました。
今日は、
- 藤稔がどんなぶどうなのか
- バーのママおすすめの藤稔を、食べてみた感想
- 名前は「藤沢に稔った」から
- ルビーロマンは、藤稔の種から生まれた
- 皮・種・旬と、産地のこと
まで、お話しします。
それでは、いきましょう!
藤稔ってどんなぶどう?

まずは基本から。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | ふじみのり |
| 生まれ | 神奈川県藤沢市(青木一直さん) |
| 親 | 井川682 × ピオーネ |
| 品種登録 | 1985年 |
| 色 | 紫黒色 |
| 粒の大きさ | 1粒20g前後。大きいものは30gを超えることも |
| 糖度 | 17度ほど(巨峰より高めと言われる) |
| 種 | 種あり・種なしの両方がある |
| 皮 | むきやすい |
| 旬 | 8月中旬〜9月中旬ごろ |
| 主な産地 | 山梨県(全国の約3割)、兵庫県、神奈川県など |
ひとことで言うと、粒が500円玉くらいになる、大粒の黒ぶどうです。
大きいだけじゃなく、甘さもしっかりあって、人気の高い品種なんですね。
甲府のバーのママが「一番美味しい」と言ったぶどう

勝沼に行く前の晩のことです。
甲府で飲み歩いていたら、細い路地裏で「山梨産ワインあります」という看板を見つけて、ふらっと入りました。
そこのママが、ぶどうの品種やワイナリーに、とにかく詳しかったんです。
「ぶどうの食べ比べをするなら、どこがいいですか?」と聞いたら、即答で「勝沼がいい」。
勝沼のぶどう農園の名前まで、次々に教えてくれました。
山梨の人って、普通の方でもここまでぶどうに詳しいのかと、びっくりしました。
そのママが言っていたのが、
「ぶどうで一番美味しいのは、藤稔」
という一言。
それなら買ってみようと、翌日、勝沼の直売所で藤稔を買いました。
食べてみた感想
車の中で、ほかの品種と一緒に食べてみました。
まず、見た目が立派です。
食べてみると、皮がめちゃめちゃ薄い。
皮を押すと、実がスルッと抜けて、スポッと口に入ってきます。
種はありませんでした。
甘さは、しつこくないすっきりした甘さ。
そして、果汁がすごく多いです。
それから、ほんの少し渋みがあります。
黒いぶどうって、皮の近くにちょっと渋みがあったりしますよね。
藤稔にも、その黒ぶどうらしい独特の渋みがあって、これがまた、いい渋みなんです。
ちなみに、同じ日に食べた甲斐キングと比べると、渋みは藤稔のほうがはっきり感じました。
ママの言う「一番美味しい」も、なんだか分かる気がしました。
名前は「藤沢に稔った」から

藤稔が生まれたのは、神奈川県藤沢市です。
作ったのは、藤沢市で果樹園をしていた青木一直さん。
「人々に喜ばれる葡萄」をテーマに、ぶどうづくりに取り組んでいた方だそうです。
名前の由来は、「藤沢の大地に稔った(実った)」から。
地元の名前がそのまま入った、ぶどうなんですね。
2つの親の「いいとこ取り」
青木さんの果樹園では、もともと「井川682」というぶどうを育てていたそうです。
そこにピオーネを掛け合わせて生まれたのが、藤稔です。
| 親 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 井川682 | 大粒で育てやすく、実がつきやすい | 果肉の質と日持ちがいまひとつ |
| ピオーネ | 旨みがあって品質がよく、日持ちもいい | 育てるのが難しく、実がつきにくい |
片方の短所を、もう片方の長所がおぎなう組み合わせです。
そして1985年に、品種登録されました。
そして2025年8月には、「藤沢生まれの藤稔」として「かながわブランド」にも登録されています。
親は2つとも、井川秀雄さんゆかりのぶどう
ここで、このシリーズを読んでくださっている方は、気づいたかもしれません。
井川682の「井川」は、紅伊豆の回で紹介した井川秀雄さんのこと。
井川682は、井川さんが育てたぶどうなんだそうです。
そして、もう一方の親のピオーネも、井川さんが生み出したぶどう。
つまり藤稔は、両親とも井川秀雄さんゆかりのぶどうということになります。
ぶどうの品種をたどっていくと、同じ人の名前に何度も出会うんですよね。
※【参考】ピオーネについては、こちらで詳しく書いています。
ルビーロマンは、藤稔の種から生まれた

藤稔のことを調べていて、いちばん驚いたのがこの話です。
ルビーロマン、ご存じでしょうか。
石川県で作られている、真っ赤で大粒の高級ぶどうです。
このルビーロマン、藤稔の種から生まれたんです。
石川県の資料によると、
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1995年(平成7年) | 藤稔の種400粒をまく |
| 1997年(平成9年) | 育ち方や実の品質で、選抜を始める |
| 2002年(平成14年) | 品質のいい1本を選び出す |
| 2004年(平成16年) | 「ルビーロマン」と命名 |
| 2007年(平成19年) | 品種登録 |
400粒の種の中から選ばれた、たった1本。
そこから、あのルビーロマンが生まれたんですね。
黒いぶどうの藤稔から、真っ赤なルビーロマンが生まれるというのも、面白いところです。
藤稔は、自分自身が美味しいだけじゃなく、次の名品種を生んだ親でもあったんです。
皮は?種は?旬と産地

皮は、むきやすい
藤稔は、皮と果肉が離れやすいぶどうです。
僕が食べたときも、実がスルッと抜けて、とても食べやすかったです。
ちなみに、神奈川県の観光協会のサイトでは、藤沢の藤稔について「皮ごと食べるのが断然おすすめ」と紹介されていました。
皮の内側や、種のまわりが一番美味しい部分なんだそうです。
種は、あり・なしの両方
藤稔は、育て方によって種ありのものと、種なしのものがあります。
同じサイトでは、種ありのほうが味もいいとも書かれていました。
僕が勝沼で買ったものは、種なしでした。
旬は、8月中旬〜9月中旬ごろ
出回りのピークは、8月中旬〜9月中旬ごろです。
藤沢市では、露地で育てたものが8月上旬から収穫が始まるそうです。
産地は、いまは山梨がいちばん
藤稔は神奈川生まれですが、いまいちばん作っているのは山梨県です。
2020年の国の調査では、全国の栽培面積は約203ヘクタール。
そのうち約3割が山梨県で、次いで兵庫県、神奈川県、群馬県、東京都、京都府と続きます。
ちなみに山梨では、「大峰(たいほう)」という名前で売られている藤稔もあります。
これは品種の名前ではなく、JAふえふきの御坂から出荷される藤稔のうち、房の形や粒の大きさ、色づきなどの基準を満たしたものにつけられるブランド名なんだそうです。
「大峰」を見かけたら、それは藤稔のことなんですね。
ときわオンラインのぶどう

正直に言うと、ときわオンラインでは藤稔は扱っていません。
それに、うちの黒いぶどう(巨峰・ピオーネ)は、今シーズンの受付をもう終えてしまいました。
いまお届けできるのは、山梨・南アルプス市の秋山農園さんの、シャインマスカットと甲斐路です。
ほかのぶどうも、こちらからご覧いただけます。
まとめ:藤稔は、藤沢生まれで名品種の親

藤稔のお話でした。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| どんなぶどう? | 粒が500円玉くらいになる、大粒の黒ぶどう |
| 生まれ | 神奈川県藤沢市。名前は「藤沢の大地に稔った」から |
| 親 | 井川682 × ピオーネ(どちらも井川秀雄さんゆかり) |
| 子ども | ルビーロマンは、藤稔の種から生まれた |
| 味(僕の感想) | すっきりした甘さで果汁たっぷり。黒ぶどうらしい、いい渋み |
| 皮と種 | 皮はむきやすい。種あり・種なしの両方がある |
| 旬 | 8月中旬〜9月中旬ごろ |
| 主な産地 | 山梨県が約3割 |
甲府のバーのママが「一番美味しい」と言った藤稔。
調べてみたら、神奈川の藤沢で生まれて、山梨で広く作られて、石川ではルビーロマンの親になっていました。
1粒の大きなぶどうの中に、いろんな土地と人の物語が詰まっているんですね。
見かけたら、ぜひ食べてみてください。
動画で食べたほかの品種も、これから1つずつ紹介していきますね。
動画はこちらです。藤稔を食べているのは、10分3秒あたりからです。
※【参考】このシリーズでは、これまでに3つの品種を紹介しています。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。
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