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新興梨とは?冬まで持つ新潟の梨は、新高の親戚だった

2026年9月26日

新興梨を半分に切ったところ

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

新興梨(しんこうなし)をご存じでしょうか。

秋の終わりから冬にかけて出回る、大玉の赤梨です。

幸水や豊水にくらべると、名前を聞いたことがない方も多いと思います。

でもこの梨、梨のシーズンの最後を支えている品種なんですよね。

そして調べていくうちに、先日書いた新高梨と、
意外なところでつながっていることが分かりました。

今日は、

  • 新興梨がどんな梨なのか
  • 新潟で生まれたという話
  • 母親は、あの二十世紀梨だった話
  • 父親がDNAで分かった話(ここで新高とつながります)
  • 冬まで持つという長所

まで、お話しします。

それでは、いきましょう!


新興梨ってどんな梨?

手のひらに載せた新興梨 大きさ

まずは基本から。

項目 内容
読み方 しんこう
分類 赤梨(皮が茶色いタイプ)
生まれ 新潟県(新潟県農事試験場)
命名 1941年(昭和16年)
大きさ 大玉。400〜600gほど
味 甘みと、さわやかな酸味のバランスがいい。果汁が多い
出回る時期 10月下旬ごろ〜年明け
主な産地 新潟県が全国の約4割
日持ち とてもいい

写真は、うちで扱っている新潟の新興です。

手のひらに載せると、指からはみ出すくらいの大きさがあります。

味は、ただ甘いだけではなく、酸味がちゃんとあるタイプ。

そのぶん後味がすっきりしていて、大きくても食べ飽きない梨なんですね。


新潟で生まれて、今も4割が新潟

新興梨 まるごと1個

新興梨は、新潟県の梨です。

1932年(昭和7年)、新潟県農事試験場で育てられ始め、
1941年(昭和16年)に「新興」と名付けられました。

そして今でも、新興の約4割は新潟県で作られています。

順位 産地
1位 新潟県(約4割)
2位 大分県
3位 熊本県

生まれた土地で、いちばん多く作られ続けている。

「新潟の梨」と言っていい品種ですね。


母親は、あの「二十世紀梨」でした

新興梨 まるごとと断面 上から

新興梨は、二十世紀梨の種から育てられました。

二十世紀梨といえば、鳥取の、あの黄緑色の青梨です。

千葉の松戸のゴミ捨て場で見つかった1本の木から始まった、というお話は、
以前の記事で書きました。

ところが、面白いのはここです。

母親の二十世紀は「青梨」なのに、子どもの新興は「赤梨」。

緑色の梨から、茶色い梨が生まれたわけです。

そしてこの新興、父親が長いあいだ分かっていませんでした。

※【参考】二十世紀梨の「ゴミ捨て場で見つかった木」の話はこちら。

→ 二十世紀梨とは?ゴミ捨て場で見つかった1本の木の話


父親は、DNAで分かった「天の川」

新興梨 まるごとと半分に切った断面

新興は、二十世紀の種から育てられた品種です。

つまり、花粉がどこから飛んできたのかまでは、はっきりしていなかった。

それが、のちのDNA鑑定で分かりました。

父親は、「天の川(あまのがわ)」と推定されています。

天の川は、江戸時代から新潟にある古い梨です。

……ここで、新高梨の記事を読んでくださった方は、
「あれ?」と思ったかもしれません。

そうなんです。

天の川は、新高梨の「母親」でもあるんです。

品種 母 父
新高 天の川 長十郎
新興 二十世紀 天の川

新高にとっては母親、新興にとっては父親。

同じ天の川の血を引いているので、新高と新興は親戚ということになります。

しかも、どちらも大玉の赤梨で、どちらも日持ちがいい。

似ているのは、偶然ではなかったのかもしれませんね。

新高のほうも、あとから「父親が違った」と分かった品種です。

梨の親子関係は、DNAで調べてみると意外なことが出てくるんですよね。

※【参考】新高梨の「名前の由来と、違っていた父親」の話はこちら。

→ 新高梨とは?名前の「高」は、間違った親からだった


いちばんの長所は「日持ち」

箱に入った新興梨

新興梨のいちばんの長所は、日持ちのよさです。

梨は、穫ったあとに追熟しない果物です。

時間がたつと水分が抜けていくので、ほとんどの梨は「早めに食べてください」となります。

その中で新興は、涼しいところに置いておけば1か月近く持つと言われています。

だから新潟のような涼しい地域では、
年が明けてもお店に並んでいることがあるんです。

梨のシーズンは、だいたいこういう流れです。

時期 出てくる梨
8月 幸水
9月 豊水
10月 新高
10月下旬〜年明け 新興

幸水から始まって、新興で終わる。

新興は、梨のリレーのアンカーなんですね。

※【参考】和梨の保存方法については、こちらで詳しく書いています。

→ 和梨の保存方法!追熟しないから「待つ」は損です


新高が苦しんだ年も、新興は安定していた

手のひらに載せた新興梨

新興には、もうひとつ頼もしいところがあります。

うちで梨をお届けしている新潟の西村果樹ガーデンさんのところでは、
2023年と2024年の夏、新高が暑さで大きな被害を受けました。

2023年は、西村さんからの電話の一言目が「新高が全滅です……」だったほどです。

そんな年でも、新興のほうは安定して穫れる見込みだと聞いていました。

新高が暑さに弱いぶん、新興がシーズンの後半を支えてくれたわけです。

そしてもうひとつ。

新高と新興は、ふつうは新高のほうが先に傷んで、新興があとに残るそうです。

新興のほうが、もともと長く持つんですね。

西村さんは工夫を重ねて、新高も新興と同じように長く残せるようにしたそうですが、
それだけ新興の日持ちは、梨の中でも頭ひとつ抜けているということです。

※【参考】西村果樹ガーデンさんについては、こちらで紹介しています。

→ 西村果樹ガーデンさん(新潟)梨の旬が、ほかより長い理由


うちで扱っている新興

梨を収穫する西村さん 西村果樹ガーデン

うちでは、新潟県加茂市の西村果樹ガーデンさんの新興をお届けしています。

新潟生まれの新興を、新潟の農家さんから。

いちばん「らしい」お届けの仕方だと思います。

西村さんの梨は、ギフト3kgの箱で
品種を選んでご注文いただけます。

品種 お届けの時期 3kgの箱に入る数
豊水 9月上旬〜10月上旬 5〜10玉
新高 10月上旬〜1月中旬 4〜10玉
新興 11月上旬〜1月下旬 4〜10玉

「新興がいい」という方は、カートのプルダウンで新興を選んでください。

年末年始に梨を食べたいという方には、いちばん向いている品種です。

→ 西村果樹ガーデンの梨(ギフト3kg)はこちら


まとめ:梨のリレーの、アンカー

新興梨をくし形に切って皿に盛ったところ

新興梨のお話でした。

ポイント 内容
どんな梨? 秋の終わりから冬に出回る、大玉の赤梨
生まれ 新潟県。1932年に育成開始、1941年に命名
産地 今も新潟県が約4割
親 母は二十世紀、父はDNA鑑定で天の川と推定
新高との関係 天の川は新高の母親。新高と新興は親戚
長所 日持ちがとてもいい。年明けまで楽しめる

調べていていちばん驚いたのは、やっぱり天の川でした。

江戸時代から新潟にあった古い梨が、
新高の母親になり、新興の父親になっていた。

どちらも、今では秋から冬の梨を支える品種です。

名前はあまり知られていなくても、
古い梨の血が、ちゃんと今につながっているんですよね。

新興は、11月上旬から始まります。

年の終わりに、梨のリレーのアンカーを味わってみてください。

本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。

ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。

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  • この記事を書いた人

ヨシハマ リョウジ

農家直送フルーツショップ「ときわオンライン」店長
スーパーでは手に入らない『無農薬フルーツ』や『地域オリジナル品種』のフルーツを探し求めて、全国の農家さんに会いにいっています。
夏場は石垣島にある「ときわマンゴー園」で農家として収穫作業。
また、「国産バナナを日本の食卓に広めたい!」という夢があり、石垣島で無農薬バナナを育てています。

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