
赤梨と青梨の違いは?梨の品種を色で分ける話
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
いきなりですが、質問です。
梨には「赤梨」と「青梨」があるのを、ご存じでしょうか。
「え、梨って赤いのあるの?」
そう思われたかもしれません。
でも、あなたはもう食べています。
スーパーでいちばんよく見る幸水も豊水も、実は赤梨なんです。
そして、二十世紀梨が青梨の代表。
この2つ、見た目も味も、かなり違います。
今日は、
- 赤梨と青梨は、何がどう違うのか
- なぜ皮の色が変わるのか(ちゃんと理由があります)
- 品種ごとの味の違い(食べ比べカレンダーつき)
- 和梨は追熟しないという、意外と知られていない話
- うちが扱っている3つの梨農園のこと
まで、お伝えします。
梨売り場での選び方が、たぶん変わりますよ。
それでは、いきましょう!
まず、赤梨と青梨の違いから

結論から言うと、分け方はシンプルです。
皮の色。
これだけです。
| 比べるところ | 赤梨 | 青梨 |
|---|---|---|
| 皮の色 | 赤茶色〜黄土色 | 黄緑色〜黄色 |
| 皮の手触り | ザラザラしている | つるつる |
| 果肉 | やわらかく多汁 | シャリシャリ |
| 味 | 甘みが強く、酸味は控えめ | すっきりした甘さと爽やかな酸味 |
| 代表品種 | 幸水、豊水、あきづき、新高、あたご梨 | 二十世紀、かおり、菊水 |
日本の梨(和梨)は、この2つに分けられます。
いま日本で作られている梨は、圧倒的に赤梨が多い。
幸水だけで、なんと梨の栽培面積の約4割を占めているそうです。
だから「梨といえば茶色い皮」というイメージが定着しているんですね。
でも――
青梨には、青梨にしかない良さがあるんです。
そこは後半でお話しします。
なぜ、皮の色が変わるのか

ここ、けっこう面白いところです。
「赤い品種」と「青い品種」がある、というより、
皮の表面に何ができるかの違いなんですね。
赤梨の皮がザラザラしているのは、
表面に「コルク層」が発達しているからです。
コルク層というのは、果実を守るためのかさぶたのようなもの。
これがしっかり発達すると、皮が茶色くザラザラになる。
一方、青梨はこのコルク層があまり発達しません。
だからつるつるして、黄緑色のままなんですね。
同じ和梨なのに、皮の作り方が違う。
面白いと思いませんか。
ちなみに、赤梨は熟すにつれて皮の色が変わります。
緑 → 黄土色 → 赤茶色
赤みが強いほど、酸味が抜けて甘くなっている。
青梨も同じで、
緑 → 黄緑色 → 黄色
黄色みがかったものほど、酸味が減っています。
皮の色は、熟度のサインでもあるわけですね。
品種ごとの違い【食べ比べカレンダー】

では、具体的な品種を見ていきます。
うちで扱っているものを中心に並べると、こうなります。
| 品種 | 種類 | 旬 | 大きさ | 味の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 喜水・新水 | 赤梨 | 7月下旬〜8月上旬 | 中 | シーズンいちばん乗り |
| 幸水 | 赤梨 | 8月中旬〜下旬 | 約300g | 甘みが強く、酸味はほぼない |
| 豊水 | 赤梨 | 8月下旬〜9月上旬 | 約400g | 果汁が圧倒的。糖度12〜13度 |
| 二十世紀 | 青梨 | 8月下旬〜9月中旬 | 中 | すっきりした甘さと爽やかな酸味 |
| あきづき | 赤梨 | 9月中旬〜下旬 | 約500g | 酸味が少なく、甘みを強く感じる |
| 新高 | 赤梨 | 10月ごろ | 大 | 大玉で甘い |
| あたご梨 | 赤梨 | 11月上旬〜2月中旬 | 約1kg | シーズンの締めくくり |
こうして並べると、梨って夏から冬まで続く果物なんですよね。
7月下旬に始まって、年をまたいで2月まで。
半年以上です。
「梨は秋のもの」というイメージがありますが、実はけっこう長い。
幸水と豊水は、どう違うのか
いちばん聞かれるのが、この2つです。
幸水は1959年に登録された品種で、菊水×早生幸蔵から生まれました。
果実重は約300g、糖度は12%前後で、酸味がほとんどない。
甘さがまっすぐなんですね。
対して豊水は1972年の登録。
果実重は約400gと、幸水よりひとまわり大きい。
糖度は12〜13%で、幸水よりわずかに酸味があります。
そして何より――
果汁の量が違います。
僕はメルマガでもこう書いたことがあるんですが、
切った時に、溢れ出てくるほどの果汁がある。
食べると「ゴクッ」と喉が鳴るほどなんです。
豊かな水と書いて「豊水」。
誰がこの名前をつけたのか知りませんが、ナイスネーミングだと思います。
あきづきは「三大品種のいいとこどり」
あきづきは、比較的新しい品種です。
1998年に農林認定品種として登録されました。
面白いのは、その親です。
新高 × 豊水を掛け合わせたものに、さらに幸水を交配して生まれています。
つまり――
日本でいちばん作られている3品種の血を引いている。
果実重は約500gと大玉で、糖度は12%程度。
酸味がほとんどないので、甘みを強く感じます。
名前の由来は、秋に穫れて、月のように丸いから。
いい名前ですよね。
大玉で存在感があるので、贈り物にも向いています。
二十世紀梨は、ゴミ捨て場から生まれました

青梨の代表、二十世紀梨の話をさせてください。
この品種、生まれ方がすごいんです。
1888年(明治21年)。
千葉県の大橋村(今の松戸市)で、13歳の少年が親戚の家を訪ねました。
名前は松戸覚之助(まつど かくのすけ)。
その家のゴミ捨て場に、梨の幼木が生えているのを見つけたんです。
彼はそれをもらい受けて、自分の家に植えました。
そして10年後の1898年。
23歳になった覚之助のもとで、その木が実をつけます。
食べた人たちは、口々に絶賛しました。
果汁が多く、甘く、果肉がやわらかい。
当時の総理大臣・大隈重信まで食べて、高く評価したと伝わっています。
覚之助は最初、この梨を「新太白(しんたいはく)」と名付けました。
でも1904年(明治37年)、苗木を譲り受けた渡瀬寅次郎という人物が、
東京帝国大学の池田伴親に相談して、新しい名前を提案します。
それが――
「二十世紀」。
これから始まる20世紀を代表する梨になってほしい。
そういう願いを込めた名前だったんですね。
そして、鳥取へ
同じ1904年の春。
鳥取の松山村(今の鳥取市桂見)で農業をしていた北脇永治という26歳の青年が、
覚之助の農園から苗木を10本買い付けました。
これが、鳥取の二十世紀梨の始まりです。
いま、二十世紀梨の生産量は鳥取県が全国1位。
ゴミ捨て場で見つかった1本の木が、
13歳の少年に拾われて、鳥取の名産になった。
・・・すごい話だと思いませんか。
僕はこの話を知ったとき、しばらく唸ってしまいました。
この話には続きがあります。
その原樹がどうなったのか、なぜ鳥取だけが日本一の産地になれたのか。
※【参考】二十世紀梨の物語は、こちらでたっぷり書きました。原樹の最期の話もあります。
和梨は「追熟しない」って知っていましたか?

ここ、知らないと損をする話です。
洋梨(ラ・フランスやルレクチェ)は、買ってから常温に置いて追熟させます。
硬いうちは食べられなくて、やわらかくなってから食べる。
でも――
和梨は、追熟しません。
買ってきた時が、いちばん美味しい状態なんです。
置いておいても甘くなりません。
むしろ、水分が抜けて味が落ちていくだけ。
だから和梨は、
届いたら、なるべく早く食べる。
これが正解です。
「もう少し置いたら甘くなるかな」と待っていると、
いちばん美味しい瞬間を逃してしまいます。
保存するなら、冷蔵庫の野菜室へ。
1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包んで、ポリ袋に入れると乾燥を防げます。
ヘタを下にして置くのもポイントです。
※【参考】洋梨のルレクチェは逆で、しっかり追熟させてから食べる果物です。
美味しい梨の選び方

売り場で選ぶときのポイントを、まとめておきます。
| 見るところ | 選び方 |
|---|---|
| 軸 | 太くてしっかりしているもの |
| 形 | 横にふくらんで、幅広のもの |
| 重さ | 同じ大きさなら、重いほう |
| 皮の色 | 赤梨は赤みが強いもの、青梨は黄色みがかったもの |
| 皮の手触り | 赤梨はザラザラが減ってきたら完熟に近い |
| 色ムラ | 少ないほうがよい |
軸が太いものは、木からしっかり栄養をもらった証拠です。
そして同じ大きさなら重いほう。
これは果汁がたっぷり詰まっているということですね。
ひとつ豆知識を。
梨の熟度は、本当は皮の内側の「地色」で判断します。
緑なら完熟前、黄色なら成熟しているサイン。
でも買う前に皮の内側は見られないので、外側の色で目安をつけるわけですね。
うちで扱っている、3つの梨農園
最後に、うちの梨農園を紹介させてください。
赤梨も青梨も、両方揃っています。
工藤果樹園さん(三重県津市)

園主は工藤正明さん。
三重県津市の久井(ひさい)地区という、地元では知られた梨の産地です。
レビューで「久井の梨が好き」と書かれるほど。
この農園の面白いところは、梨のシーズンを最初から最後まで通して栽培していることです。
出始めのいちばん早い喜水から、
シーズンを締めくくる超大玉のあたご梨まで。
リレーのように品種を揃えている。
こういう農園は珍しいんですよ。
僕が個人的に「面白いな」と思っているポイントです。
いま受付中なのは、豊水とあきづき、そしてあたご梨です。
※【参考】あたご梨は「赤ちゃんの頭ほど」と言われる超大玉です。こちらで詳しく書いています。
まえた農園さん(鳥取県鳥取市)

青梨の代表、二十世紀梨はこちらです。
園主は前田真也さん。4代目にあたります。
驚くのは、その歴史です。
梨を最初に植えたのは、前田さんの曾おじいさん。
その木から続く、約100年の梨農園なんです。
さきほどお話しした、鳥取に苗木が渡った1904年から数えて、
その歴史の中にずっといる農園ということになりますよね。
減農薬・有機質肥料主体で、昔ながらのやり方を大切にされています。
ただ、正直にお伝えします。
今年(2026年)は春先の気象の影響で不作でした。
病気や傷が多く、収量も少ない年です。
そのため今年は、訳あり品のみの取り扱いとさせていただいています。
小玉や傷のあるものが混ざりますが、味は変わりません。
※【参考】訳ありがなぜ安いのか、中身は同じなのかについてはこちらに書きました。
西村果樹ガーデンさん(新潟県)
こちらは、農法が独特です。

黒酢ミネラル栽培。
農薬を極限まで減らして、代わりに黒酢やヨーグルトを与えるんです。
植物が本来持っている免疫力を高めるという考え方ですね。
20年以上この農法を続けておられます。
そして、驚くべき結果が出ています。
豊水の旬が、10月中旬まで続く。
一般的な豊水の旬は8月下旬〜9月中旬。長くても9月下旬までです。
それが10月中旬まで実っている。
他の農家さんからも「西村さんのところは旬が長いね」と、よく驚かれるそうです。
理由を伺ったら、黒酢ミネラル栽培だからとのことでした。
黒酢のアミノ酸が甘みにコクを出してくれるとも言われていました。
僕が現地に伺ったとき、その場で丸かじりさせてもらったんです。
噛んだ瞬間にほのかな酸味、その後にコクのある強い甘みが広がって、
ゴクッと飲めるほどの果汁。
梨のジュースを飲んでいるかのような感覚でした。
思わず口をついて出たのが、この一言です。
「これ、本当に豊水ですか?」
まとめ:色で分かる、梨の性格

今日のお話を、まとめますね。
- 和梨は「赤梨」と「青梨」に分かれる。分け方は皮の色
- 赤梨はコルク層が発達してザラザラ。青梨は発達せずつるつる
- 赤梨は甘みが強く多汁。青梨はすっきりした甘さと爽やかな酸味
- 幸水・豊水・あきづき・新高・あたご梨は赤梨。二十世紀は青梨
- 豊水は「豊かな水」の名の通り、果汁が圧倒的
- あきづきは新高・豊水・幸水の血を引く、いいとこどりの品種
- 二十世紀梨は、1888年にゴミ捨て場で13歳の少年が見つけた1本の木から
- 1904年に鳥取へ渡り、今では鳥取が生産量日本一
- 和梨は追熟しない。届いたらなるべく早く食べるのが正解
- 選ぶときは、軸が太く、幅広で、同じ大きさなら重いもの
「梨」とひとくくりにされがちですが、
色が違えば、味の方向性もまるで違います。
甘さでガツンと来てほしいなら、赤梨。
さっぱり爽やかに食べたいなら、青梨。
そして――
両方買って、食べ比べてみる。
これがいちばん贅沢で、いちばん面白い食べ方だと思います。
うちには赤梨も青梨も揃っています。
三重の工藤果樹園さん、鳥取のまえた農園さん、新潟の西村果樹ガーデンさん。
三者三様の梨を、農家直送でお届けしています。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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