
おけさ柿(八珍柿)とは?種なし柿のルーツは新潟だった
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
スーパーで売られている種なし柿。
あれ、どこで生まれた柿か知っていますか?
和歌山? 奈良? 福岡?
柿の産地といえばそのあたりを思い浮かべますが、
実は――
新潟です。
しかも、たった一本の木から始まっています。
その木は今も生きていて、実をつけているんです。
今日お話しするのは、その一本の木から広がった柿。
おけさ柿(八珍柿)です。
うちでは、新潟・佐渡島の吹上農園さんから届く柿として、毎年ご紹介しています。
今日は、
- 種なし柿の発祥が新潟だったという話
- 八珍柿という変わった名前の由来
- 佐渡島で産地になった理由
- 吹上農園さんの、去年の話
- 佐渡の柿の食べ頃と食べ方
まで、お伝えします。
日本の柿の歴史を、ちょっと変えた木の話です。
それでは、いきましょう!
品種は「平核無」。日本でいちばん普通の種なし柿です

まず、おけさ柿の正体から。
品種は平核無(ひらたねなし)です。
「聞いたことない」という方も多いと思いますが、
スーパーの種なし柿は、ほぼこれです。
日本で作られている柿の中でも、トップ3に入る主流品種。
その平核無を、新潟県で育てたものが「おけさ柿」と呼ばれます。
名前の由来は、代表産地である佐渡の民謡「佐渡おけさ」。
つまり――
おけさ柿=新潟産の平核無。
品種は同じ。産地のブランド名なんですね。
そして、この平核無にはもうひとつ名前があります。
「八珍柿」という名前の由来

八珍柿(はっちんがき)。
これ、けっこう不思議な名前だと思いませんか。
「八つの珍しいもの」という意味なんですが――
新潟には、古くから「越後七不思議」という言い伝えがあります。
親鸞聖人にまつわる、七つの不思議な出来事。
そして、
「種のない柿」は、その七不思議に次ぐ8番目の不思議
だから八珍柿。
昔の人にとって、柿に種がないというのは、それくらい珍しいことだったんですね。
今の僕たちは「種なし柿」を当たり前に食べていますが、
当時は不思議として語られるレベルだった。
ちなみにうちでは、吹上農園さんのご意向で「八珍柿」の表記で統一しています。
「おけさ柿」はJA佐渡さんのブランド名なので、
農園さんが自分の柿を呼ぶときは「八珍柿」なんですね。
原木は、今も新潟で実をつけています
ここからが面白いところです。
平核無の原木が、新潟市秋葉区古田(旧新津市)に今も残っています。
推定樹齢は370年以上。
新潟県の文化財に指定されていて、今でも実をつけるそうです。
370年前というと、江戸時代の初期です。
その頃に、種のない柿が突然変異で生まれた。
そして――
日本中の種なし柿は、すべてこの一本の木の子孫です。
平核無は種がないので、種から増やすことができません。
接ぎ木で増やすしかない。
つまり、和歌山の種なし柿も、奈良の種なし柿も、うちで扱っているグリーンジャンクションさんの無農薬種なし柿も――
遺伝的には、この新潟の一本の木のクローンなんですね。
僕はこの話を知ったとき、鳥肌が立ちました。
370年前の一本の木が、いま日本中の食卓にある。
果物の歴史って、こういう話があるから面白いんですよね。
山形で名前がついて、佐渡で産地になった

ただ、この柿はすぐに広まったわけではありません。
流れを追うと、こうなります。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 江戸時代初期 | 新潟(現・新潟市秋葉区)で種のない柿が生まれる |
| 明治20年(1887年)ごろ | 越後の行商人から買った苗木が、山形県庄内地方で栽培される |
| 明治42年(1909年) | その優秀さが認められ、「平核無」と命名・公表 |
| 昭和初期 | 佐渡・羽茂村の杉田清氏が佐渡島で産地化を進める |
| その後 | 「おけさ柿」としてブランド化 |
面白いのは、名前がついたのは山形だということです。
新潟で生まれた柿が、山形で「平核無」と名付けられ、
そのあと新潟の佐渡島に戻ってきて産地になった。
ぐるっと一周しているんですね。
そして佐渡で産地化を進めたのが、羽茂村の杉田清という人物。
うちの吹上農園さんも、佐渡の羽茂にあります。
つまり、おけさ柿が始まった、まさにその土地の柿なんです。
昔ながらの「アルコール渋抜き」

さて、平核無は渋柿です。
そのままでは食べられないので、渋を抜いてから出荷します。
今の主流は炭酸ガスによる渋抜きです。
大量に、早く、均一に抜ける。
でも吹上農園さんは、昔ながらのアルコール渋抜きをされています。
お客様のレビューにも、こう書かれていました。
> 昨年に続き今年も注文させていただいた理由は一つ目、昔ながらのアルコールの渋抜き。2つ目、糖度が高く、濃くて美味しい、この2点。本当に美味しい柿でした。
アルコールで渋を抜くと、ゆっくり抜けるので、
果肉がねっとりして、甘みが濃く出ると言われています。
昔、おじいちゃんの家で焼酎をかけて渋を抜いていた、
という記憶がある方もいるかもしれません。
あの方法を、今も続けているんですね。
吹上農園さんの、去年の話
ここで、少しだけ去年(2025年)の話をさせてください。
去年の夏、新潟は大雨で大きな被害を受けました。
佐渡島も例外ではなく、吹上農園さんのご自宅も土砂崩れの被害に遭われました。
お庭が半分ほど削られて、
インスタの写真を見ると、あと数メートルで自宅が巻き込まれていたという状況。
幸い、ご怪我はなかったそうです。
畑への直接の被害もなかったのですが、
復旧作業で柿の手入れや発送に手が回らない可能性があり、
去年は「場合によってはキャンセルさせていただくかもしれません」とお伝えしていました。
結果として、去年もなんとかお届けできました。
そして――
今年は、通常通りです。
吹上農園さんから連絡があって、
「今年は大丈夫ですよ」とのことでした。
去年の状況を知っているだけに、正直、ホッとしました。
農家さんの「大丈夫ですよ」の一言が、どれだけ重いか。
こういう年があると、あらためて思います。
※【参考】吹上農園さんといえば、今年は「ミニ柿」も話題になりました。
食べ頃と食べ方

● 届いたら、まず箱を開けてください
八珍柿は、渋抜きの関係で箱の中で熟成が進みます。
届いたらすぐに箱を開けて、風を通してください。
閉めっぱなしだと、一気に熟しすぎることがあります。
● 硬めが好きな方は、すぐに
届いた直後は、カリッとした食感です。
さっぱりした甘さで、これも美味しい。
● とろとろが好きな方は、数日待つ
常温で2〜3日置くと、とろっとやわらかくなります。
甘みが濃くなって、スプーンで食べるくらいになったら最高です。
僕は硬いのもとろとろも両方好きなので、
届いた箱から毎日1個ずつ、変化を楽しむのがおすすめです。
● 保存は冷蔵庫の野菜室
食べ頃になったら、冷蔵庫へ。
ヘタを下にして置くと長持ちします。
● 旬
出荷は10月中旬〜10月下旬です。
シーズンが短いので、気になる方は早めにどうぞ。
まとめ:370年前の一本の木から

今日のお話を、まとめますね。
- おけさ柿=新潟産の平核無。品種名ではなく産地のブランド名
- 「八珍柿」は、越後七不思議に次ぐ8番目の不思議(種がない)から
- 原木は新潟市秋葉区に現存。樹齢370年以上で、今も実をつける
- 種がないので接ぎ木でしか増えない。日本中の種なし柿はこの木の子孫
- 山形で「平核無」と命名され、佐渡・羽茂で産地化された
- 吹上農園さんは羽茂の農家さん。昔ながらのアルコール渋抜き
- 去年は土砂崩れの被害があったが、今年は通常通り
- 届いたら箱を開けて風を通す。硬めもとろとろも両方美味しい
スーパーで種なし柿を手に取ったとき、
「これ、370年前の新潟の一本の木の子孫なんだよな」と思い出してもらえたら嬉しいです。
そして、その木が生まれた土地の、
昔ながらの渋抜きで仕上げた柿を食べてみたい方は、こちらへ。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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