
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
突然ですが、皆さんに質問です。
「ぶどう」と「マスカット」って、何が違うと思いますか?
なんとなく、こんなイメージじゃないでしょうか。
- ぶどう = 黒っぽい、紫のやつ(巨峰とか)
- マスカット = 緑のやつ(シャインマスカットとか)
「両方ぶどうなんだろうけど・・・でも、なんかマスカットは別モノな気がする」
正直に言うと、果物屋の僕も、昔はなんとなく「別モノなんじゃないかな」と思っていました(笑)
でも、あるとき気になって、ちゃんと調べてみたんです。
そうしたら、「マスカットを分けるのは、色じゃなかった」という、ちょっと目からウロコの答えにたどり着きました。
さらに今日は、ゴルビー、甲斐路、サンシャインレッド、クイーンルージュといった「赤いぶどう」たちはどっち側なのか?という疑問にも踏み込んでいきます。
読み終わる頃には、ぶどう売り場がちょっと楽しくなっているはずですよ。
それでは、いきましょう!
結論:マスカットは「ぶどうの中の一種」です

まず、一番の結論から。
マスカットは、ぶどうの一種です。
「ぶどう」という大きなグループの中に、「マスカット」と呼ばれる品種のグループがある。
そういう関係なんですね。
図にするとこうです。
ぶどう(大きなくくり)
└ マスカット(その中の一部のグループ)
└ 巨峰などの黒系品種
└ デラウェアなどの赤系品種
└ その他いろいろ
つまり、「ぶどうとマスカットの違いは?」という質問は、厳密に言うと「犬と柴犬の違いは?」みたいな質問だったわけです(笑)
マスカットは、れっきとしたぶどう。
でも、「マスカット」と名乗れるのには、ちゃんと理由があるんです。
マスカットの正体は「香り」だった

では、何をもって「マスカット」と呼ぶのか。
答えは、香りです。
マスカットと呼ばれるぶどうたちは、「マスカット香」という、甘くて上品な独特の香りを持っています。
シャインマスカットを食べたときの、あの爽やかでうっとりする香り。
あれが「マスカット香」です。
そして、名前の由来がまた面白いんです。
「マスカット」の語源は、「ムスク(麝香・じゃこう)」という高級な香料に由来すると言われています。
昔の人が、このぶどうの香りを「まるでムスクのような、高貴な香りだ」と表現した。
つまりマスカットとは、「香りが称号になったぶどう」なんですね。
ちなみに、マスカットの代表格といえば、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。
名前にエジプトの都市「アレキサンドリア」が入っているとおり、地中海周辺で古くから愛されてきた由緒正しき品種で、日本では岡山県の温室栽培が有名です。
シャインマスカットも、このマスカットの血と香りを受け継いだ品種。
だから「シャインマスカット」なんです。
「黒いのがぶどう」というイメージの正体
「じゃあ、なんで僕らは黒いぶどうを『ぶどう』って思っちゃうの?」
いい質問ですよね。僕も考えました(笑)
これはおそらく、日本で長く愛されてきた定番品種が、巨峰やピオーネといった黒系だったからだと思います。
「ぶどう=あの黒紫の粒」という記憶が、日本人の頭に染み付いているんですね。
ここで、ぶどうの「色」の話を整理しておきましょう。
ぶどうは大きく、3つの色系統に分かれます。
| 色の系統 | 代表的な品種 |
|---|---|
| 黒系(紫〜黒) | 巨峰、ピオーネ、ナガノパープル |
| 赤系(赤〜赤紫) | デラウェア、甲斐路、ゴルビー(悟紅玉) |
| 緑系(黄緑〜白) | シャインマスカット、ナイアガラ |
この色の違いを生んでいるのは、「アントシアニン」という色素の量です。
アントシアニンがたっぷりだと黒系に、ほどほどだと赤系に、ほとんど作られないと緑系になる。
そして、ここが今日の大事なポイント。
「マスカットかどうか」と「色」は、別の話なんです。
マスカットは「香り」のグループ。
黒・赤・緑は「色」のグループ。
つまり、理屈のうえでは「赤いマスカット」も存在できるということになります。
・・・そう、存在するんです。
じゃあ「赤いぶどう」たちは何者なのか?

お待たせしました。
ここからは、ご質問の多い「赤系ぶどう」の正体を一つずつ見ていきましょう。
甲斐路(かいじ)— 元祖「赤いマスカット」

まずは、赤系ぶどうの大御所、甲斐路。
山梨生まれ・山梨が本場の歴史ある品種で、美しい鮮紅色の見た目から「赤いマスカット」と呼ばれてきました。
なぜ「マスカット」と呼ばれるのか。
もうお分かりですよね。
そう、甲斐路は赤いのに、上品なマスカット香を持っているんです。
色は赤系、香りはマスカット。
まさに「赤いマスカットは存在する」の生き証人です。
ちなみに甲斐路は、栽培する農家さんが年々減っていて、スーパーではほとんど見かけなくなった希少品種。
知る人ぞ知る、通好みのぶどうになっています。
ゴルビー(悟紅玉)— 名前の由来がまさかの「あの人」
続いて、赤系大粒ぶどうのゴルビー。
一粒20gにもなる迫力の大粒で、糖度18度前後というしっかりした甘さ。ワインレッドの美しい果皮が特徴です。
そしてこのぶどう、名前の由来がすごいんです。
ゴルビーとは・・・
旧ソ連のゴルバチョフ大統領の愛称(笑)
赤くて丸い大粒の姿から連想して、当時活躍していたゴルバチョフさんの愛称を付けたと言われています。
ぶどうに政治家の名前を付けちゃう、そのセンスが最高ですよね(笑)
(ちなみに現在は「悟紅玉(ごこうぎょく)」という名前に改名されています)
こちらはマスカット香というより、ジューシーで濃厚な甘さを楽しむ赤系ぶどうです。
サンシャインレッド — 山梨が生んだ「赤いシャインマスカット」

そして、いま大注目の新品種。
サンシャインレッドです。
こちらは山梨県が開発したオリジナル品種で、なんとシャインマスカットの子ども。
シャインマスカットに、赤系ぶどうの「サニードルチェ」を掛け合わせて生まれた、2022年誕生の超・新品種です。
種なしで皮ごと食べられて、糖度は19度クラス。
シャインマスカット譲りの美味しさと、美しい赤色を兼ね備えていることから、「赤いシャインマスカット」と呼ばれています。
しかも、栽培できるのは山梨県内の農家さんだけ、という徹底ぶり。
山梨の本気が詰まったぶどうなんです。
クイーンルージュ — 長野が生んだ、もうひとつの「赤いシャイン」

「赤いシャインマスカット」には、実はライバルがいます。
長野県が開発したクイーンルージュです。
こちらも親はシャインマスカット。
シャインマスカットと赤系の「ユニコーン」を掛け合わせて生まれた、長野県限定の品種です。
親譲りの爽やかな香りと強い甘みを持つ、こちらも「赤いシャインマスカット」と呼ばれる実力派。
つまり今、ぶどう界では山梨 vs 長野の「赤いシャイン対決」が繰り広げられているんです。
面白くなってきたと思いませんか?(笑)
※【参考】この2つの「赤いシャインマスカット」を徹底比較した記事があります。対決の行方はこちらでどうぞ。
→ どっちが赤いシャインマスカット?「クイーンルージュ」VS「サンシャインレッド」
まとめ:マスカットは「色」ではなく「香りの称号」
今日のお話を、まとめてみますね。
- マスカットは、ぶどうの中の一種(犬と柴犬の関係)
- マスカットの条件は「色」ではなく「マスカット香」(語源は香料のムスク)
- ぶどうの色は黒・赤・緑の3系統。色素アントシアニンの量で決まる
- 甲斐路は「赤いマスカット」。赤くてもマスカット香があればマスカット系
- ゴルビー(悟紅玉)の名前の由来は、まさかのゴルバチョフさん(笑)
- サンシャインレッド(山梨)とクイーンルージュ(長野)は、シャインマスカットの血を引く「赤いシャイン」のライバル同士
「ぶどうは黒、マスカットは緑」
そんなイメージがガラッと変わったんじゃないでしょうか。
マスカットとは、色ではなく、あの高貴な香りに与えられた称号。
そう考えると、緑でも赤でも、香りをまとったぶどうはみんな「マスカットの一族」なんですね。
そして、ここでちょっとお知らせを(笑)
うちのショップでは、山梨・南アルプス市の秋山農園さんから、シャインマスカットはもちろん、元祖・赤いマスカットの甲斐路、そして話題の新品種サンシャインレッドまで、今日の記事に登場したぶどうたちを取り扱っています。
「緑のマスカット」と「赤いマスカット」の食べ比べ、なんて贅沢も、うちなら叶いますよ(笑)
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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