6月のフルーツ 梅のレシピ

梅干しって「干さない」で作れるの?果物屋が本気で調べてみた結果

梅漬け

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

突然ですが、皆さん。
「梅干し」って、その名の通り「干す」ものですよね。

梅を干すから、梅干し。

僕もずっと、そう思って生きてきました(笑)
夏の土用に、ザルに並べた梅をお日さまに当てる――
あの光景こそが「梅仕事」だ、と。

ところが先日、ふと検索ワードを眺めていたら、

「梅干し 作り方 干さない」

という言葉が、意外と検索されているのを見つけたんです。

え、干さない・・・?

梅干しなのに、干さない・・・?

正直、最初は「いやいや、それはもう梅干しじゃないでしょ」なんて思ったんですが、よく考えたら、

もし干さずに作れるなら、作業工程が一つ減って、ものすごく楽になる

わけですよね。

土用の天気とにらめっこする必要もない。
急な雨に「ああっ!」と慌てて取り込むこともない。

これは・・・気になる。
めちゃくちゃ気になる。

ということで今回は、果物屋のヨシハマが、「干さないで梅干しは作れるのか?」という疑問に、本気で向き合って調べてみました。

結論からいうと、なかなか面白い事実がわかりましたよ。
ぜひ最後まで読んでみてください。

結論:干さなくても作れる。ただし「梅干し」ではなく「梅漬け」になる

梅漬け

はい、いきなり結論からいきますね。

干さなくても、梅干しのようなものは作れます。

ただし――ここが今回の一番大事なポイントなんですが――

干さずに塩漬けだけで仕上げたものは、厳密に言うと「梅干し」ではなく、「梅漬け(うめづけ)」と呼ばれるんです。

なるほど、と思いました。

「梅干し」は文字通り”干した”もの。
干していないものは、分類上は「漬物」であって、だから「梅漬け」という別の名前がついているんですね。

つまり、

  • 塩漬けして → 干す → 梅干し
  • 塩漬けして → 干さない → 梅漬け

という違いなわけです。

「なーんだ、別物なのか」と思うかもしれませんが、実はこの梅漬け、昔から日本各地で普通に作られてきた立派な保存食なんですよ。

しかも、梅干しにはない魅力もあって、これがなかなか侮れないんです。

そもそも、なぜ梅は「干す」のか?干す工程の本当の意味

梅漬け

干さない話をする前に、まず「なぜ干すのか」を知っておいたほうが、話がわかりやすいですよね。

僕も今回調べてみて、「干す工程って、こんなに意味があったのか」と改めて驚きました。

梅を干す理由は、主に4つあります。

理由1:水分を飛ばして「保存性」を高める

これが一番の目的です。

天日干しで余分な水分を蒸発させることで、腐りにくく、長持ちする状態になるんです。

昔は冷蔵庫なんてありませんでしたから、「いかに長く保存するか」が死活問題。
だから、太陽の力を借りて水分を抜いていたんですね。

理由2:太陽の紫外線で「殺菌」する

お日さまの紫外線には殺菌効果があります。

干すことで、梅の表面を自然に消毒している、というわけです。
昔の人の知恵って、本当によくできてますよね。

理由3:皮が柔らかく、果肉が「ねっとり」する

ここ、意外でした。

干すと固くなりそうなイメージですが、逆なんです。

天日干しの最中、塩が溶けたり、夜露に当たったりを繰り返すうちに、皮は薄く柔らかくなり、果肉はあのドライプルーンのような、ねっとりした食感に変わっていくんです。

スーパーで買う柔らかい梅干しの、あの食感。
あれは干すからこそ生まれるものだったんですね。

理由4:塩がなじんで「まろやか」になり、赤く色づく

干している間に、塩の角が取れて味がまろやかになり、風味もぎゅっと凝縮されます。

さらに、シソと一緒に干すと、あの美しい赤色が鮮やかに発色するんです。

――こうして並べてみると、干す工程って、ただの「乾燥作業」じゃないんですよね。

保存性・殺菌・食感・味・見た目の、全部に関わっている、めちゃくちゃ大事な工程だったんです。

※【参考】ちゃんと干して作る、王道の完熟梅の梅干しはこちらで詳しく解説しています。
→ 完熟梅で作る梅干しの作り方!農家直伝のコツと失敗しないポイントを全部まとめました

じゃあ「干さない梅漬け」はどんな味・食感になるの?

梅漬け

ここまで読むと、「干さないと、いいことないんじゃ・・・」と思っちゃいますよね。

でも、そうでもないんです。

干さない「梅漬け」には、梅干しにはない、独自の魅力があるんですよ。

魅力1:フレッシュで、パリッとした食感

干さない分、水分がしっかり残っているので、果肉がジューシーでフレッシュなんです。

ねっとり系の梅干しとは対照的に、皮が分厚くならず、パリッ・カリッとした歯ごたえが楽しめます。

実はあの「カリカリ梅」も、青梅を干さずに漬ける製法の仲間なんですよ。

魅力2:梅本来の、フルーティーな風味

干して凝縮させない分、梅そのもののフレッシュな酸味と香りが、ストレートに楽しめます。

これが意外と上品で、料亭などでもあえて梅漬けを使うことがあるというから驚きです。

魅力3:とにかく作るのが「楽」

そして、僕が一番気になっていたポイント。

干す工程がまるごとない。

これが、めちゃくちゃ大きいんです。

土用の晴れ間を狙ってザルを出して、3日間ひっくり返して、夜は取り込んで・・・という、あの一連の作業が全部いらない。

梅雨明けの天気に振り回されることもありません。

「梅仕事はやってみたいけど、干すのがハードル高くて・・・」という方には、梅漬けはめちゃくちゃおすすめなんです。

干さない梅漬けの作り方(基本の手順)

梅漬け

「じゃあ実際どうやるの?」という方のために、基本の作り方をご紹介しますね。

驚くほどシンプルです。

用意するもの(梅500gの場合)

  • 完熟梅 … 500g
  • 粗塩 … 100g(梅の重さの20%
  • 焼酎(消毒用)… 少々
  • 清潔な保存袋または容器
  • 重石

手順

1. 梅を洗って、水気を完全に拭く
優しく洗って、ヘタ(なり口の黒い部分)を竹串で取ります。
そして水気を1個ずつ丁寧に拭き取る
ここはカビ防止の最重要ポイントです。

2. 梅と塩を混ぜる
焼酎で容器と梅をさっと消毒したら、梅と塩をよくなじませます。

3. 重石をして漬ける
容器に入れて重石をのせ、冷暗所へ。
2〜3日で「梅酢」と呼ばれる水分が上がってきます。

4. 約1ヶ月で食べ頃
梅酢にしっかり浸かった状態で1ヶ月ほど置けば、完成です。
(シソを入れたい場合は、塩もみした赤シソを途中で加えます)

これだけ。
本当に、干す以外は梅干しとほぼ同じなんですね。

※【参考】漬けている間に出てくる「梅酢」は、捨てずに活用できる万能調味料です。
→ 捨てたらもったいない!万能調味料「梅酢」の出し方と絶品活用レシピ

干さない梅漬けで「絶対に守ってほしい」こと

ここだけは、しっかりお伝えしておきたいことがあります。

干さない=水分が多く残る、ということなので、梅干しよりもカビや傷みのリスクが上がるんです。

だからこそ、保存性は「塩分濃度」で担保する必要があります。

塩分は18%以上、できれば20%を守る

これが鉄則です。

塩分を18%より下げると、カビが生える危険がぐっと高まります。

「しょっぱいのはちょっと・・・」という方もいると思いますが、干さない梅漬けの場合、減塩はおすすめできません。

塩辛さが気になるときは、食べる前に水で「塩抜き」をしたり、はちみつ漬けにして甘くするほうが、ずっと安全です。

保存は冷暗所、または冷蔵庫で

塩分20%でしっかり漬ければ、日の当たらない涼しい場所で数年単位で保存できる、とも言われています。

ただ、これはあくまで塩分をきっちり守った場合の話。
ご家庭で減塩気味に作ったなら、冷蔵庫で保存し、1年以内に食べきるのが安心です。

「干さないから楽」だけど、「干さないから塩はしっかり」。

ここはセットで覚えておいてくださいね。

結局、どっちで作るのがいいの?ヨシハマの個人的な結論

梅漬け

調べてみて、僕なりにたどり着いた結論はこうです。

「保存性と、あのねっとり食感を求めるなら、やっぱり干す」
「手軽さと、フレッシュな風味を楽しみたいなら、干さない梅漬け」

つまり、どっちが正解ってわけじゃなくて、好みと、ライフスタイル次第なんですよね。

  • がっつり作って何年も楽しみたいベテランさん → 王道の梅干し
  • 「今年は梅仕事デビューしてみたい」初心者さん → まずは楽な梅漬けから

こんな感じで選ぶといいんじゃないかなと思います。

個人的には、梅仕事が初めての方こそ、ハードルの低い「干さない梅漬け」から始めてみるのがおすすめです。

干す工程がない分、失敗のポイントも減りますし、「自分で漬けた梅、美味しい!」という成功体験が、きっと来年の本格的な梅干しづくりにつながりますからね。

まとめ

今日のお話をまとめると、こうなります。

  • 干さなくても作れる。ただし正式には「梅漬け」と呼ばれる
  • 干す工程には、保存性・殺菌・食感・味・色という大事な意味がある
  • 梅漬けはフレッシュでパリッとした食感が魅力。作るのも楽
  • 干さない分、塩分は18%以上(できれば20%)を必ず守る
  • 初心者さんは、まず手軽な梅漬けから始めるのがおすすめ

「梅干しは干すもの」という思い込みが、今回調べてみて、いい意味で覆されました。

干さないという選択肢があると知ると、なんだか梅仕事のハードルがぐっと下がった気がしませんか?

今年の梅の季節、「干すのが大変そうだから・・・」と諦めていた方も、ぜひ「梅漬け」に挑戦してみてくださいね。

もちろん、美味しい梅漬けを作るには、香りが良くて、傷の少ない、いい梅を選ぶことが大切です。

うちのショップでも、和歌山のグリーンジャンクションさんの無農薬の完熟梅・青梅を毎年扱っていますので、よかったら覗いてみてください。

→ 無農薬の梅(南高梅)はこちらからご覧いただけます

本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。

ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。

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  • この記事を書いた人

ヨシハマ リョウジ

農家直送フルーツショップ「ときわオンライン」店長
スーパーでは手に入らない『無農薬フルーツ』や『地域オリジナル品種』のフルーツを探し求めて、全国の農家さんに会いにいっています。
夏場は石垣島にある「ときわマンゴー園」で農家として収穫作業。
また、「国産バナナを日本の食卓に広めたい!」という夢があり、石垣島で無農薬バナナを育てています。

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