
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
突然ですが、皆さん。
「梅干し」って、その名の通り「干す」ものですよね。
梅を干すから、梅干し。
僕もずっと、そう思って生きてきました(笑)
夏の土用に、ザルに並べた梅をお日さまに当てる――
あの光景こそが「梅仕事」だ、と。
ところが先日、ふと検索ワードを眺めていたら、
「梅干し 作り方 干さない」
という言葉が、意外と検索されているのを見つけたんです。
え、干さない・・・?
梅干しなのに、干さない・・・?
正直、最初は「いやいや、それはもう梅干しじゃないでしょ」なんて思ったんですが、よく考えたら、
もし干さずに作れるなら、作業工程が一つ減って、ものすごく楽になる
わけですよね。
土用の天気とにらめっこする必要もない。
急な雨に「ああっ!」と慌てて取り込むこともない。
これは・・・気になる。
めちゃくちゃ気になる。
ということで今回は、果物屋のヨシハマが、「干さないで梅干しは作れるのか?」という疑問に、本気で向き合って調べてみました。
結論からいうと、なかなか面白い事実がわかりましたよ。
ぜひ最後まで読んでみてください。
結論:干さなくても作れる。ただし「梅干し」ではなく「梅漬け」になる

はい、いきなり結論からいきますね。
干さなくても、梅干しのようなものは作れます。
ただし――ここが今回の一番大事なポイントなんですが――
干さずに塩漬けだけで仕上げたものは、厳密に言うと「梅干し」ではなく、「梅漬け(うめづけ)」と呼ばれるんです。
なるほど、と思いました。
「梅干し」は文字通り”干した”もの。
干していないものは、分類上は「漬物」であって、だから「梅漬け」という別の名前がついているんですね。
つまり、
- 塩漬けして → 干す → 梅干し
- 塩漬けして → 干さない → 梅漬け
という違いなわけです。
「なーんだ、別物なのか」と思うかもしれませんが、実はこの梅漬け、昔から日本各地で普通に作られてきた立派な保存食なんですよ。
しかも、梅干しにはない魅力もあって、これがなかなか侮れないんです。
そもそも、なぜ梅は「干す」のか?干す工程の本当の意味

干さない話をする前に、まず「なぜ干すのか」を知っておいたほうが、話がわかりやすいですよね。
僕も今回調べてみて、「干す工程って、こんなに意味があったのか」と改めて驚きました。
梅を干す理由は、主に4つあります。
理由1:水分を飛ばして「保存性」を高める
これが一番の目的です。
天日干しで余分な水分を蒸発させることで、腐りにくく、長持ちする状態になるんです。
昔は冷蔵庫なんてありませんでしたから、「いかに長く保存するか」が死活問題。
だから、太陽の力を借りて水分を抜いていたんですね。
理由2:太陽の紫外線で「殺菌」する
お日さまの紫外線には殺菌効果があります。
干すことで、梅の表面を自然に消毒している、というわけです。
昔の人の知恵って、本当によくできてますよね。
理由3:皮が柔らかく、果肉が「ねっとり」する
ここ、意外でした。
干すと固くなりそうなイメージですが、逆なんです。
天日干しの最中、塩が溶けたり、夜露に当たったりを繰り返すうちに、皮は薄く柔らかくなり、果肉はあのドライプルーンのような、ねっとりした食感に変わっていくんです。
スーパーで買う柔らかい梅干しの、あの食感。
あれは干すからこそ生まれるものだったんですね。
理由4:塩がなじんで「まろやか」になり、赤く色づく
干している間に、塩の角が取れて味がまろやかになり、風味もぎゅっと凝縮されます。
さらに、シソと一緒に干すと、あの美しい赤色が鮮やかに発色するんです。
――こうして並べてみると、干す工程って、ただの「乾燥作業」じゃないんですよね。
保存性・殺菌・食感・味・見た目の、全部に関わっている、めちゃくちゃ大事な工程だったんです。
※【参考】ちゃんと干して作る、王道の完熟梅の梅干しはこちらで詳しく解説しています。
→ 完熟梅で作る梅干しの作り方!農家直伝のコツと失敗しないポイントを全部まとめました
じゃあ「干さない梅漬け」はどんな味・食感になるの?

ここまで読むと、「干さないと、いいことないんじゃ・・・」と思っちゃいますよね。
でも、そうでもないんです。
干さない「梅漬け」には、梅干しにはない、独自の魅力があるんですよ。
魅力1:フレッシュで、パリッとした食感
干さない分、水分がしっかり残っているので、果肉がジューシーでフレッシュなんです。
ねっとり系の梅干しとは対照的に、皮が分厚くならず、パリッ・カリッとした歯ごたえが楽しめます。
実はあの「カリカリ梅」も、青梅を干さずに漬ける製法の仲間なんですよ。
魅力2:梅本来の、フルーティーな風味
干して凝縮させない分、梅そのもののフレッシュな酸味と香りが、ストレートに楽しめます。
これが意外と上品で、料亭などでもあえて梅漬けを使うことがあるというから驚きです。
魅力3:とにかく作るのが「楽」
そして、僕が一番気になっていたポイント。
干す工程がまるごとない。
これが、めちゃくちゃ大きいんです。
土用の晴れ間を狙ってザルを出して、3日間ひっくり返して、夜は取り込んで・・・という、あの一連の作業が全部いらない。
梅雨明けの天気に振り回されることもありません。
「梅仕事はやってみたいけど、干すのがハードル高くて・・・」という方には、梅漬けはめちゃくちゃおすすめなんです。
干さない梅漬けの作り方(基本の手順)

「じゃあ実際どうやるの?」という方のために、基本の作り方をご紹介しますね。
驚くほどシンプルです。
用意するもの(梅500gの場合)
- 完熟梅 … 500g
- 粗塩 … 100g(梅の重さの20%)
- 焼酎(消毒用)… 少々
- 清潔な保存袋または容器
- 重石
手順
1. 梅を洗って、水気を完全に拭く
優しく洗って、ヘタ(なり口の黒い部分)を竹串で取ります。
そして水気を1個ずつ丁寧に拭き取る。
ここはカビ防止の最重要ポイントです。
2. 梅と塩を混ぜる
焼酎で容器と梅をさっと消毒したら、梅と塩をよくなじませます。
3. 重石をして漬ける
容器に入れて重石をのせ、冷暗所へ。
2〜3日で「梅酢」と呼ばれる水分が上がってきます。
4. 約1ヶ月で食べ頃
梅酢にしっかり浸かった状態で1ヶ月ほど置けば、完成です。
(シソを入れたい場合は、塩もみした赤シソを途中で加えます)
これだけ。
本当に、干す以外は梅干しとほぼ同じなんですね。
※【参考】漬けている間に出てくる「梅酢」は、捨てずに活用できる万能調味料です。
→ 捨てたらもったいない!万能調味料「梅酢」の出し方と絶品活用レシピ
干さない梅漬けで「絶対に守ってほしい」こと
ここだけは、しっかりお伝えしておきたいことがあります。
干さない=水分が多く残る、ということなので、梅干しよりもカビや傷みのリスクが上がるんです。
だからこそ、保存性は「塩分濃度」で担保する必要があります。
塩分は18%以上、できれば20%を守る
これが鉄則です。
塩分を18%より下げると、カビが生える危険がぐっと高まります。
「しょっぱいのはちょっと・・・」という方もいると思いますが、干さない梅漬けの場合、減塩はおすすめできません。
塩辛さが気になるときは、食べる前に水で「塩抜き」をしたり、はちみつ漬けにして甘くするほうが、ずっと安全です。
保存は冷暗所、または冷蔵庫で
塩分20%でしっかり漬ければ、日の当たらない涼しい場所で数年単位で保存できる、とも言われています。
ただ、これはあくまで塩分をきっちり守った場合の話。
ご家庭で減塩気味に作ったなら、冷蔵庫で保存し、1年以内に食べきるのが安心です。
「干さないから楽」だけど、「干さないから塩はしっかり」。
ここはセットで覚えておいてくださいね。
結局、どっちで作るのがいいの?ヨシハマの個人的な結論

調べてみて、僕なりにたどり着いた結論はこうです。
「保存性と、あのねっとり食感を求めるなら、やっぱり干す」
「手軽さと、フレッシュな風味を楽しみたいなら、干さない梅漬け」
つまり、どっちが正解ってわけじゃなくて、好みと、ライフスタイル次第なんですよね。
- がっつり作って何年も楽しみたいベテランさん → 王道の梅干し
- 「今年は梅仕事デビューしてみたい」初心者さん → まずは楽な梅漬けから
こんな感じで選ぶといいんじゃないかなと思います。
個人的には、梅仕事が初めての方こそ、ハードルの低い「干さない梅漬け」から始めてみるのがおすすめです。
干す工程がない分、失敗のポイントも減りますし、「自分で漬けた梅、美味しい!」という成功体験が、きっと来年の本格的な梅干しづくりにつながりますからね。
まとめ
今日のお話をまとめると、こうなります。
- 干さなくても作れる。ただし正式には「梅漬け」と呼ばれる
- 干す工程には、保存性・殺菌・食感・味・色という大事な意味がある
- 梅漬けはフレッシュでパリッとした食感が魅力。作るのも楽
- 干さない分、塩分は18%以上(できれば20%)を必ず守る
- 初心者さんは、まず手軽な梅漬けから始めるのがおすすめ
「梅干しは干すもの」という思い込みが、今回調べてみて、いい意味で覆されました。
干さないという選択肢があると知ると、なんだか梅仕事のハードルがぐっと下がった気がしませんか?
今年の梅の季節、「干すのが大変そうだから・・・」と諦めていた方も、ぜひ「梅漬け」に挑戦してみてくださいね。
もちろん、美味しい梅漬けを作るには、香りが良くて、傷の少ない、いい梅を選ぶことが大切です。
うちのショップでも、和歌山のグリーンジャンクションさんの無農薬の完熟梅・青梅を毎年扱っていますので、よかったら覗いてみてください。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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