こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
山梨・勝沼の直売所めぐりをきっかけに、ぶどうの品種を1つずつ紹介しているシリーズ。
第5回は、ナガノパープルです。
今回は、勝沼で食べた品種ではありません。
でも、どうしてもこのシリーズで取り上げたかったぶどうなんです。
というのも、ナガノパープルは、僕がずっと扱いたいと思っている品種だから。
長野のぶどう農家さんとのご縁がなくて、うちではまだ扱えていないんですが、いつかお届けしたいと思っているぶどうです。
今日は、
- ナガノパープルがどんなぶどうなのか
- 巨峰・ピオーネの「2強」に割って入った話
- 親は巨峰と「リザマート」(実は、親が訂正されていた)
- 皮ごと食べられるけど、皮が割れやすい
- 長野の「ぶどう三姉妹」の長女
- 旬・選び方・保存方法
まで、お話しします。
それでは、いきましょう!
ナガノパープルってどんなぶどう?
まずは基本から。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生まれ | 長野県果樹試験場(長野県須坂市) |
| 親 | 巨峰 × リザマート |
| 交配・品種登録 | 1990年に交配、2004年に品種登録 |
| 色 | 紫黒色 |
| 粒の大きさ | 1粒13〜15gほど |
| 糖度 | 18〜21度ほど |
| 酸味 | 少なめ |
| 種 | なし |
| 皮 | 皮ごと食べられる(皮はむきにくい) |
| 旬 | 9月中旬〜下旬が出盛り |
| 主な産地 | 長野県(全国の約97%) |
ひとことで言うと、巨峰の子どもで、種がなく、皮ごと食べられる黒ぶどうです。
長野県の資料では、
- 果肉は少しかためで、歯切れがいい
- 香りは、巨峰やピオーネと同じタイプ
- 甘みが多く、皮ごと食べやすい
と紹介されています。
黒ぶどうなのに、皮をむかずにそのままパクパク食べられる。
これが、ナガノパープルのいちばんの魅力ですね。
巨峰・ピオーネの「2強」に割って入った黒ぶどう
ナガノパープルのことで、僕が以前から面白いなと思っていることがあります。
黒いぶどうといえば、長いあいだ「巨峰」と「ピオーネ」の2強でした。
ほかの品種が入る隙がないくらい、この2つががっちり定着していたんです。
ところが、ここ数年で、ナガノパープルが一気に知名度を上げて、人気品種の仲間入りをしました。
もちろん、ナガノパープルは濃厚なコクがあって味もいいし、皮ごと食べられるので食べやすい。
それが一番の理由だと思います。
でもそれだけじゃなくて、ある時期から急に、メディアで見かけることが増えたり、ナガノパープルを使ったコンビニスイーツが多くなったりしたんですよね。
山梨の秋山農園の秋山さんに話を聞くと、長野県は、ぶどうの栽培技術も高いけど、「売り方」がうまいそうです。
なるほどなと思いました。
おいしいぶどうを作るだけじゃなく、どう知ってもらうかまで考えている。
ナガノパープルは、そんな長野県の「売り方のうまさ」も一緒に育ててきたぶどうなのかもしれません。
※【参考】黒ぶどうの「2強」については、こちらで詳しく書いています。
→ 巨峰のすべて。「売れなかった」ぶどうが、王様になるまでの物語
親は巨峰と「リザマート」。実は、親が訂正されていた
ナガノパープルは、1990年に、長野県須坂市にある長野県果樹試験場で生まれました。
親は、
巨峰 × リザマート
ただ、ここに面白い話があります。
2004年に品種登録されたときは、もう一方の親は「ロザリオビアンコ」という品種だとされていたんです。
ところが、その後の調査で、本当の親は「リザマート」だったことが分かって、2010年に長野県果樹試験場が訂正しました。
実はこういうこと、ぶどうでは時々あるんです。
以前ブログで紹介したピオーネも、長年伝えられてきた父親が、のちの研究で違っていたと分かったぶどうでした。
もう一方の親「リザマート」
では、リザマートはどんなぶどうなのか。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生まれ | 旧ソ連・ウズベキスタン |
| 親 | カッタクルガン × パルケント |
| 色 | 赤紫色で、粒は長い楕円形 |
| 皮 | とても薄く、皮ごと食べられる |
| 弱点 | 熟したころに雨が当たると、すぐに皮が割れてしまう |
皮が薄くて、皮ごと食べられる。
でも、雨に弱くて割れやすい。
あとでお話ししますが、これ、ナガノパープルにもそっくり当てはまるんです。
ちなみに、勝沼でお世話になった久保田園さんでも、リザマートを育てているそうです。
久保田園さんのサイトでは、リザマートの味を「まるで食感の良いさくらんぼのような味」と紹介していました。
皮ごと食べられるけど、皮が割れやすい
ナガノパープルの皮は、薄くて、皮ごと食べられるのが特徴です。
ただその分、皮が割れやすいという弱点があります。
この、熟したぶどうの皮が割れてしまうことを「裂果(れっか)」といいます。
長野県がまとめているナガノパープルの栽培マニュアルにも、裂果を防ぐための対策がまるごと1章設けられていました。
それによると、
- 熟す時期の後半にまとまった雨が降ると、裂果しやすい
- だから、できるだけ雨よけの施設で育てるのがいい
とのこと。
親のリザマートと同じで、雨に弱いんですね。
皮ごと食べられる手軽さの裏には、農家さんの雨との戦いがあるんです。
それから、ナガノパープルは皮と実が離れにくいぶどうでもあります。
巨峰のように、つまんで実をスポッと出すのは難しいので、皮ごと食べる前提のぶどうと思っておくといいですね。
長野の「ぶどう三姉妹」の長女
長野では、ナガノパープルを含む3つのぶどうを、「ぶどう三姉妹」として売り出しています。
| 三姉妹 | 品種 | 色 |
|---|---|---|
| 長女 | ナガノパープル | 黒 |
| 次女 | シャインマスカット | 緑 |
| 三女 | クイーンルージュ | 赤 |
この「ぶどう三姉妹」は、JA全農長野が名前をつけて、商標にもしているそうです。
3つとも、種がなくて皮ごと食べられるぶどう。
黒・緑・赤の3色がそろうので、詰め合わせにすると見た目も華やかです。
三女のクイーンルージュも、僕がずっと扱いたいと思っている品種です。
※【参考】三姉妹の三女、クイーンルージュについては、こちらで紹介しています。
→ クイーンルージュとは?長野生まれの赤いシャインマスカット
旬・選び方・保存方法
旬は、9月中旬〜下旬
ナガノパープルの収穫は、9月上旬〜10月上旬ごろ。
出盛りは、9月中旬〜下旬です。
生まれ故郷の須坂市では、熟す時期は9月上旬ごろだそうです。
県外でも作られるようになった
ナガノパープルは長野県のオリジナル品種で、長いあいだ長野県の中でしか作られていませんでした。
2019年からは県外でも苗木が手に入るようになって、ほかの地域でも育てる農家さんが出てきているそうです。
それでも、いま出回っているナガノパープルのほとんど(約97%)は長野県産です。
選び方
選ぶときは、
- 房全体が、濃い黒色をしている
- 皮にハリがあって、みずみずしい
- 軸が緑色
- 表面に白い粉(ブルーム)がついている
ものを選ぶといいそうです。
ナガノパープルは、もともとこの白い粉が多いぶどうなんだとか。
白い粉は、ぶどうが自分を守るためにつくるもので、新鮮さの目安になります。
保存方法
乾燥しないように、ポリ袋に入れるか、新聞紙やラップで包んで、冷蔵庫の野菜室で保存します。
皮ごと食べるぶどうなので、食べる直前にさっと洗ってくださいね。
※【参考】食べきれないぶどうは、冷凍するのもおすすめです。
ときわオンラインでは、まだ扱えていません
冒頭でもお話ししたとおり、ときわオンラインでは、ナガノパープルはまだ扱えていません。
長野のぶどう農家さんとのご縁が、なかなかなくて。
でも、ナガノパープルとクイーンルージュは、いつか必ずお届けしたいと思っている品種です。
そのかわり、三姉妹の次女、シャインマスカットならお届けしています。
山梨・南アルプス市の秋山農園さんのシャインマスカットです。
「売り方がうまい」と教えてくれた秋山さんの、甲斐路もあります。
ほかのぶどうも、こちらからご覧いただけます。
まとめ:ナガノパープルは、2強に割って入った長野の黒ぶどう
ナガノパープルのお話でした。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| どんなぶどう? | 種がなく、皮ごと食べられる黒ぶどう |
| 生まれ | 長野県果樹試験場(須坂市)。1990年交配、2004年品種登録 |
| 親 | 巨峰 × リザマート(登録時はロザリオビアンコとされ、2010年に訂正) |
| 味 | 甘みが多く、歯切れがいい。巨峰と同じタイプの香り |
| 弱点 | 皮が薄く、雨で割れやすい |
| 三姉妹 | 長野の「ぶどう三姉妹」の長女 |
| 旬 | 9月中旬〜下旬が出盛り |
| 主な産地 | 長野県が約97% |
巨峰とピオーネがずっと守ってきた黒ぶどうの世界に、皮ごと食べられるという新しさで割って入ったナガノパープル。
その裏には、雨と戦いながら育てる農家さんと、上手に売り出してきた長野県の工夫がありました。
いつか、うちからもお届けできる日が来たらいいなと思っています。
その日まで、見かけたらぜひ食べてみてください。
このシリーズのきっかけになった、勝沼の直売所めぐりの動画はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=HL7YDddce7M
※【参考】このシリーズでは、これまでに4つの品種を紹介しています。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。
ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。