こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
新興梨(しんこうなし)をご存じでしょうか。
秋の終わりから冬にかけて出回る、大玉の赤梨です。
幸水や豊水にくらべると、名前を聞いたことがない方も多いと思います。
でもこの梨、梨のシーズンの最後を支えている品種なんですよね。
そして調べていくうちに、先日書いた新高梨と、
意外なところでつながっていることが分かりました。
今日は、
- 新興梨がどんな梨なのか
- 新潟で生まれたという話
- 母親は、あの二十世紀梨だった話
- 父親がDNAで分かった話(ここで新高とつながります)
- 冬まで持つという長所
まで、お話しします。
それでは、いきましょう!
新興梨ってどんな梨?
まずは基本から。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | しんこう |
| 分類 | 赤梨(皮が茶色いタイプ) |
| 生まれ | 新潟県(新潟県農事試験場) |
| 命名 | 1941年(昭和16年) |
| 大きさ | 大玉。400〜600gほど |
| 味 | 甘みと、さわやかな酸味のバランスがいい。果汁が多い |
| 出回る時期 | 10月下旬ごろ〜年明け |
| 主な産地 | 新潟県が全国の約4割 |
| 日持ち | とてもいい |
写真は、うちで扱っている新潟の新興です。
手のひらに載せると、指からはみ出すくらいの大きさがあります。
味は、ただ甘いだけではなく、酸味がちゃんとあるタイプ。
そのぶん後味がすっきりしていて、大きくても食べ飽きない梨なんですね。
新潟で生まれて、今も4割が新潟
新興梨は、新潟県の梨です。
1932年(昭和7年)、新潟県農事試験場で育てられ始め、
1941年(昭和16年)に「新興」と名付けられました。
そして今でも、新興の約4割は新潟県で作られています。
| 順位 | 産地 |
|---|---|
| 1位 | 新潟県(約4割) |
| 2位 | 大分県 |
| 3位 | 熊本県 |
生まれた土地で、いちばん多く作られ続けている。
「新潟の梨」と言っていい品種ですね。
母親は、あの「二十世紀梨」でした
新興梨は、二十世紀梨の種から育てられました。
二十世紀梨といえば、鳥取の、あの黄緑色の青梨です。
千葉の松戸のゴミ捨て場で見つかった1本の木から始まった、というお話は、
以前の記事で書きました。
ところが、面白いのはここです。
母親の二十世紀は「青梨」なのに、子どもの新興は「赤梨」。
緑色の梨から、茶色い梨が生まれたわけです。
そしてこの新興、父親が長いあいだ分かっていませんでした。
※【参考】二十世紀梨の「ゴミ捨て場で見つかった木」の話はこちら。
父親は、DNAで分かった「天の川」
新興は、二十世紀の種から育てられた品種です。
つまり、花粉がどこから飛んできたのかまでは、はっきりしていなかった。
それが、のちのDNA鑑定で分かりました。
父親は、「天の川(あまのがわ)」と推定されています。
天の川は、江戸時代から新潟にある古い梨です。
……ここで、新高梨の記事を読んでくださった方は、
「あれ?」と思ったかもしれません。
そうなんです。
天の川は、新高梨の「母親」でもあるんです。
| 品種 | 母 | 父 |
|---|---|---|
| 新高 | 天の川 | 長十郎 |
| 新興 | 二十世紀 | 天の川 |
新高にとっては母親、新興にとっては父親。
同じ天の川の血を引いているので、新高と新興は親戚ということになります。
しかも、どちらも大玉の赤梨で、どちらも日持ちがいい。
似ているのは、偶然ではなかったのかもしれませんね。
新高のほうも、あとから「父親が違った」と分かった品種です。
梨の親子関係は、DNAで調べてみると意外なことが出てくるんですよね。
※【参考】新高梨の「名前の由来と、違っていた父親」の話はこちら。
いちばんの長所は「日持ち」
新興梨のいちばんの長所は、日持ちのよさです。
梨は、穫ったあとに追熟しない果物です。
時間がたつと水分が抜けていくので、ほとんどの梨は「早めに食べてください」となります。
その中で新興は、涼しいところに置いておけば1か月近く持つと言われています。
だから新潟のような涼しい地域では、
年が明けてもお店に並んでいることがあるんです。
梨のシーズンは、だいたいこういう流れです。
| 時期 | 出てくる梨 |
|---|---|
| 8月 | 幸水 |
| 9月 | 豊水 |
| 10月 | 新高 |
| 10月下旬〜年明け | 新興 |
幸水から始まって、新興で終わる。
新興は、梨のリレーのアンカーなんですね。
※【参考】和梨の保存方法については、こちらで詳しく書いています。
新高が苦しんだ年も、新興は安定していた
新興には、もうひとつ頼もしいところがあります。
うちで梨をお届けしている新潟の西村果樹ガーデンさんのところでは、
2023年と2024年の夏、新高が暑さで大きな被害を受けました。
2023年は、西村さんからの電話の一言目が「新高が全滅です……」だったほどです。
そんな年でも、新興のほうは安定して穫れる見込みだと聞いていました。
新高が暑さに弱いぶん、新興がシーズンの後半を支えてくれたわけです。
そしてもうひとつ。
新高と新興は、ふつうは新高のほうが先に傷んで、新興があとに残るそうです。
新興のほうが、もともと長く持つんですね。
西村さんは工夫を重ねて、新高も新興と同じように長く残せるようにしたそうですが、
それだけ新興の日持ちは、梨の中でも頭ひとつ抜けているということです。
※【参考】西村果樹ガーデンさんについては、こちらで紹介しています。
うちで扱っている新興
うちでは、新潟県加茂市の西村果樹ガーデンさんの新興をお届けしています。
新潟生まれの新興を、新潟の農家さんから。
いちばん「らしい」お届けの仕方だと思います。
西村さんの梨は、ギフト3kgの箱で
品種を選んでご注文いただけます。
| 品種 | お届けの時期 | 3kgの箱に入る数 |
|---|---|---|
| 豊水 | 9月上旬〜10月上旬 | 5〜10玉 |
| 新高 | 10月上旬〜1月中旬 | 4〜10玉 |
| 新興 | 11月上旬〜1月下旬 | 4〜10玉 |
「新興がいい」という方は、カートのプルダウンで新興を選んでください。
年末年始に梨を食べたいという方には、いちばん向いている品種です。
まとめ:梨のリレーの、アンカー
新興梨のお話でした。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| どんな梨? | 秋の終わりから冬に出回る、大玉の赤梨 |
| 生まれ | 新潟県。1932年に育成開始、1941年に命名 |
| 産地 | 今も新潟県が約4割 |
| 親 | 母は二十世紀、父はDNA鑑定で天の川と推定 |
| 新高との関係 | 天の川は新高の母親。新高と新興は親戚 |
| 長所 | 日持ちがとてもいい。年明けまで楽しめる |
調べていていちばん驚いたのは、やっぱり天の川でした。
江戸時代から新潟にあった古い梨が、
新高の母親になり、新興の父親になっていた。
どちらも、今では秋から冬の梨を支える品種です。
名前はあまり知られていなくても、
古い梨の血が、ちゃんと今につながっているんですよね。
新興は、11月上旬から始まります。
年の終わりに、梨のリレーのアンカーを味わってみてください。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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