こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
9月、柿のシーズンのいちばん初めに出てくる種なし柿があります。
刀根早生(とねわせ)と中谷早生(なかたにわせ)です。
どちらも種のない柿で、秋のいちばん最初にやってきます。
この2つの柿、調べてみたらとんでもない生まれ方をしていました。
- 刀根早生は、台風で折れた木から生まれた
- 中谷早生は、その刀根早生の畑で見つかった
- そして2つとも、種からではなく「枝」から生まれた
しかも、中谷早生が見つかった場所は、
うちの柿を作ってくださっているグリーンジャンクションさんと同じ、和歌山県紀の川市でした。
今日は、
- 刀根早生と中谷早生がどんな柿なのか
- 元祖の種なし柿「平核無」のこと
- 台風から始まった刀根早生の話
- 紀の川市で見つかった中谷早生の話
- 代を重ねるたびに早くなっていった話
まで、お話しします。
それでは、いきましょう!
刀根早生と中谷早生ってどんな柿?
まずは基本から。
3つの柿を並べてみます。
| 比べるところ | 平核無 | 刀根早生 | 中谷早生 |
|---|---|---|---|
| 読み方 | ひらたねなし | とねわせ | なかたにわせ |
| 関係 | 元祖 | 平核無の枝変わり | 刀根早生の枝変わり |
| 生まれ | 新潟県 | 奈良県天理市 | 和歌山県紀の川市 |
| 品種登録 | ― | 1980年 | 2003年 |
| 旬 | 10月中旬〜 | 9月中旬〜10月中旬 | 9月上旬〜中旬 |
| 種 | なし | なし | なし |
| 甘柿?渋柿? | 渋柿 | 渋柿 | 渋柿 |
3つとも、渋柿です。
そのままでは食べられないので、渋を抜いてから出荷されます。
形や味もよく似ていて、見た目ではまず区別がつきません。
いちばんの違いは、穫れる時期。
中谷早生 → 刀根早生 → 平核無の順に、少しずつ遅くなっていきます。
始まりは、新潟の「平核無」
2つの柿の話をする前に、まず親の話をさせてください。
平核無(ひらたねなし)。
日本の種なし柿の代表です。
この柿、新潟県で生まれました。
江戸時代の初めごろ、1本の柿の木に、突然変異で種のない実がなった。
その原木は、今も新潟市に残っていて、推定樹齢は370年以上だそうです。
新潟・佐渡の「おけさ柿」も、品種はこの平核無なんですね。
そして、この平核無から――
子どもと、孫が生まれました。
※【参考】平核無が新潟で生まれた話は、おけさ柿の記事で詳しく書いています。
刀根早生は、台風で折れた木から生まれた
子どもにあたるのが、刀根早生です。
始まりは、1959年(昭和34年)。
この年、伊勢湾台風という大きな台風が日本を襲いました。
奈良県天理市で柿を育てていた刀根淑民さんの畑でも、
平核無の木が折れてしまったんです。
刀根さんは、その木の根元から出てきた若い木に、折れた枝を接ぎ木して育て直しました。
すると――
その中の1本の枝だけ、ほかより早く実がなった。
これが、刀根早生の始まりです。
奈良県の農事試験場の協力で調べたところ、
これは突然変異で生まれた新しい品種だと分かりました。
そして1980年(昭和55年)、
育てた刀根さんの名前と、「早く実る」という意味の「早生」をあわせて、
「刀根早生」として品種登録されました。
台風で折れた木がなければ、この柿は生まれていなかったかもしれません。
平核無より、10日から2週間ほど早く穫れます。
中谷早生は、紀の川市の畑で見つかった
そして、孫にあたるのが中谷早生です。
見つかったのは、和歌山県紀の川市。
刀根早生の畑で、またほかより早く実る枝が見つかったんです。
名前は、その木があった畑の園主さんの名前から付けられました。
そして2003年(平成15年)に品種登録されています。
中谷早生は、刀根早生より10日ほど早い。
和歌山県によると、日本の露地の柿の中で、いちばん早く収穫できる品種だそうです。
9月の上旬、まだ残暑が厳しいころに、もう穫れ始めます。
果肉は少しやわらかく、もっちりとした食感だと紹介されています。
そして、この中谷早生が見つかった紀の川市。
うちで柿をお届けしているグリーンジャンクションさんも、紀の川市なんです。
つまり、うちの中谷早生は、生まれた町で育った柿ということになります。
代を重ねるたびに、10日ずつ早くなった
ここまでの話を、並べてみます。
| 世代 | 品種 | 生まれた場所 | 穫れ始め |
|---|---|---|---|
| 親 | 平核無 | 新潟 | 10月中旬ごろ |
| 子 | 刀根早生 | 奈良・天理 | 平核無より約2週間早い |
| 孫 | 中谷早生 | 和歌山・紀の川 | 刀根早生より約10日早い |
新潟 → 奈良 → 和歌山。
代を重ねるごとに、10日ずつくらい早くなっているんですね。
そして面白いのが、3つとも種からではなく「枝」から生まれているということです。
ふつう、新しい品種は種から生まれます。
親と親を掛け合わせて、できた種を育てて、その中からいいものを選ぶ。
でもこの3つは、木の枝に突然あらわれた変化を、人が見つけて育てたもの。
いわば、「見つけた人がいたから、今ある柿」なんです。
台風のあとに、1本の枝の違いに気づいた刀根さん。
そして中谷さんの畑で見つかった、さらに早い1本の枝。
それに気づく人がいなければ、どちらも生まれていませんでした。
奈良生まれなのに、6割は和歌山
もうひとつ、面白い話があります。
刀根早生は奈良生まれの柿です。
でも、今いちばん多く作っているのは和歌山県。
全国の6割ほどが和歌山で作られています。
| 順位 | 県 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 約6割 |
| 2位 | 奈良県 | 約2割 |
| 3位 | 新潟県 | 約1割 |
そもそも和歌山は、柿の生産量が日本一の県です。
その中でも紀の川市は、トップクラスの柿の産地。
奈良で生まれた刀根早生が和歌山で大きく広がり、
その和歌山で、今度は中谷早生が生まれた。
種なし柿のバトンが、和歌山に渡ってきたわけですね。
うちで扱っている「無農薬の種なし柿」
うちでは、和歌山県紀の川市のグリーンジャンクションさんの無農薬の種なし柿をお届けしています。
グリーンジャンクションさんの種なし柿は、
今日お話しした3つの品種のリレーになっています。
| 時期(目安) | 品種 |
|---|---|
| 9月上旬〜中旬 | 中谷早生 |
| 9月中旬〜10月中旬 | 刀根早生 |
| 10月中旬〜11月上旬 | 平核無 |
時期によって、届く品種が変わるんですね。
この記事を書いている9月の下旬は、ちょうど刀根早生の時期です。
お客さんからは、こんなレビューをいただいています。
「皮ごと食べるので無農薬でありがたいです。種が無くて食べやすいです」
「届いたばかりのものも美味しかったのですが、6日目の今日食べた柔らかくなったものも、甘くてものすごく美味しかったです」
届いてすぐのしっかりした食感も、
何日か置いてやわらかくなったものも、どちらも楽しめる柿です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生産者 | グリーンジャンクション(和歌山県紀の川市) |
| 育て方 | 無農薬 |
| 内容量 | 2kg・5kg・10kg |
| 階級 | 良品・優品(家庭用・自分用) |
まとめ:台風と、気づいた人が生んだ柿
刀根早生と中谷早生のお話でした。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| どんな柿? | 9月に出回る、早生の種なし柿。どちらも渋を抜いて出荷する渋柿 |
| 刀根早生 | 1959年の伊勢湾台風で折れた平核無から生まれた。奈良・天理生まれ |
| 中谷早生 | 刀根早生の畑で見つかった。和歌山・紀の川市生まれ |
| 生まれ方 | どちらも種ではなく「枝変わり」 |
| 早さ | 代を重ねるたびに約10日ずつ早くなった |
| 産地 | 刀根早生も、今は和歌山が6割 |
調べていて思ったのは、
柿の品種には、「人の名前」が残っているんだな、ということでした。
刀根早生の「刀根」は、育てた人の名前。
中谷早生の「中谷」は、原木があった畑の持ち主の名前です。
台風で木が折れても、あきらめずに接ぎ木をした人がいた。
たった1本の枝の違いに、気づいた人がいた。
秋にいちばん最初に食べる柿は、そういう人たちのおかげで今ここにあるんですよね。
今年の柿の季節は、もう始まっています。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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