
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
突然ですが、聞かせてください。
「四角いスイカ」って、見たことありますか?
デパートの果物売り場や、テレビの特集なんかで、キューブ状にカクカクッと四角くなったスイカが、ドンと飾られているのを見たことがある方、けっこういらっしゃるんじゃないでしょうか。
僕も初めて見たときは、「えっ、スイカって四角くなるの!?」って、思わず二度見しちゃいました(笑)
でもですね、果物屋をやっていると、ふと、こういう疑問が湧いてくるんですよ。
「あれってどうやって四角くしてるの?」
「そもそも、四角いスイカって美味しいの?」
「四角があるなら、三角とか星型もあるんじゃない?」
気になりだしたら、もう止まりません。
そこで今回は、果物屋のヨシハマが、この「謎だらけの四角いスイカ」を本気で調べてみました。
調べてみたら・・・正直、「ええっ、そうだったの!?」という、ちょっと衝撃の事実にたどり着いたんです。
スイカ好きの方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそも、四角いスイカって何者なの?

まずは基本から。
四角いスイカ(四角スイカ)は、その名のとおり、サイコロのような立方体のスイカです。
サイズは、一辺がだいたい19センチ。
ちょうど、両手で包めるくらいの、かわいらしいキューブ型なんですね。
そして、この四角いスイカ。実は香川県の善通寺市(ぜんつうじし)が、全国的に有名な産地なんです。
善通寺市の公式サイトにもちゃんと載っている、れっきとした「市の特産品」なんですよ。
毎年、夏のはじめになると「今年も四角スイカの出荷が始まりました」というニュースが流れる、夏の風物詩でもあります。
ここまでは、まあ、なんとなく知っていた方も多いかもしれませんね。
問題は、ここからです。
どうやって四角くしているの?

さて、一番気になるのがこれですよね。
「どうやってスイカを四角くしているのか?」
特別な品種なんでしょうか?
それとも、何か魔法のような技術が・・・?
答えは、意外とシンプルでした。
「四角い箱(型)に入れて育てる」
これだけなんです(笑)
もう少し詳しく説明しますね。
まず、品種は特別なものではなく、「縞王(しまおう)」という、ごく一般的な大玉スイカの品種が使われています。
その縞王が、実がまだ小さいうちに、鉄枠のついた、透明な立方体のプラスチック容器にそっと入れられるんです。
あとは、その箱の中でスイカがぐんぐん育っていくと・・・箱の形に押し当てられて、自然と「四角」に成型されていく、というわけです。
なるほど、と思いますよね。
ちなみに、きれいな四角に仕上げるためには、1本の苗に、実をたった1個だけ残すという、すごく贅沢で手間のかかる育て方をするそうです。
しかも、プラスチックの型に押し当てて育てるので、どうしても皮に傷がつきやすい。
だから、出荷の基準を満たせるのは、育てたうちの6〜8割ほどなんだとか。
意外と、職人技の世界なんですね。
ここが衝撃!四角いスイカは「食べられない」

さあ、ここからが本題です。
果物屋として、僕が一番知りたかったこと。
「四角いスイカって、美味しいの?」
これ、皆さんも気になりますよね?
カクカクして見た目はユニークだけど、中身はちゃんと赤くて、甘いのかな・・・?と思いますよね。
ところが。
調べてみて、僕は「ええっ!」と声が出ました。
四角いスイカは、食べるためのものではないんです。
善通寺市の公式サイトにも、「装飾品・ディスプレイ用(食用ではありません)」と、はっきり書いてあります。
つまり、四角いスイカは「観賞用」のスイカ。
飾って楽しむための、いわば「スイカのインテリア」なんですね。
「いやいや、なんで食べられないの?」
って思いますよね。僕もそう思いました。
理由は、こうです。
スイカを四角い型にしっかり収めるためには、実がまだ硬くて、しっかりしている「未熟なうち」に収穫しないといけないんです。
完熟するまで待ってしまうと、中身が柔らかくなって、形が崩れてしまう。
だから、まだ甘くなる前の青い状態で収穫する。
その結果、甘みがほとんどなく、食用には向かないスイカになってしまうんですね。
そして、未熟だからこそ、なんと約1年間も腐らずに日持ちするという、観賞用にはもってこいの特徴も持っているんです。
「見た目はスイカ、でも食べられない」
なんだか、不思議な存在ですよね。
※【参考】「じゃあ、食べて美味しいスイカの歴史ってどうなってるの?」が気になった方は、こちらの記事もどうぞ。
→ スイカはいつから夏の定番に?果物屋がたどる、4000年のスイカ大冒険史
じゃあ、なぜ「四角く」したの?意外すぎる誕生のきっかけ

ここで、もうひとつの疑問。
「食べられないのに、なんでわざわざ四角くしたの?」
これも調べてみたら、面白かったんです。
四角いスイカが生まれたのは、1970年代ごろ。香川県で考案されたと言われています。
そして、その誕生のきっかけには、こんな説があるんです。
「丸いスイカは転がるし、冷蔵庫にも収まりにくい。だったら、四角くすれば収納しやすいんじゃないか?」
そう、もともとは「実用的な理由」から発想された、という話なんですね。
たしかに、丸いスイカって、冷蔵庫の中でゴロゴロ転がって邪魔になったり、収まりが悪かったりしますよね(笑)
「四角ければ、スッキリ収まる!」という発想、めちゃくちゃ分かります。
ところが、さっきお話ししたとおり、四角くするには未熟なうちに収穫するしかなく、肝心の「味」が犠牲になってしまった。
そこで、「食べる用」から「飾る用」へと役割が変わっていった、というわけなんです。
当初の狙いとは違う方向で有名になった、というのが、なんとも面白いですよね。
四角があるなら、三角や星型もあるの?

さて、冒頭で僕が気になっていたこと。
「四角があるなら、三角や星型のスイカもあるの?」
これ、皆さんも気になりませんか?
調べてみたところ・・・ありました。四角以外の「変わり種スイカ」が、ちゃんと。
代表的なのは、この2つです。
● ピラミッド型(三角)スイカ
北海道の農家さんが手がけた、ピラミッドのような形のスイカ。四角スイカの登場以降、新しい形として話題になりました。
● ハート型スイカ
熊本県の農家さんが作った、ハート型のスイカ。ハート型は型枠の構造が複雑で、作るのがとても難しいと言われていたんですが、小玉サイズで挑戦することで、甘くて食べられるハート型スイカを成功させた、という例もあるそうです。
これはロマンがありますね。
ちなみに、「星型」や「人の顔の形」のスイカについても探してみたんですが、こちらはしっかりした情報が見つかりませんでした。
家庭菜園用に、ハート型や星型の「成型用の型」自体は売られているので、チャレンジしている方はいるのかもしれませんが、商品として定着しているのは、四角・ピラミッド(三角)・ハートあたり、というのが正直なところです。
(もし「星型スイカ見たことあるよ!」という方がいたら、ぜひ教えてほしいです・・・!)
誰が、何のために買うの?四角スイカの「需要」

「食べられないスイカを、誰が買うの?」
最後の疑問は、これですよね。
調べてみると、四角いスイカの主な使い道は、こんな感じでした。
● お店やイベントの「ディスプレイ」
果物屋さんやデパート、レストランなどが、夏の店頭を彩る「飾り」として購入します。インパクトがありますからね。
● 高級な「贈答品」・話題づくり
「珍しいものを贈りたい」という需要。もらった人が「なにこれ!?」と驚く、話のタネになるギフトですね。
● 海外でも人気
実はこの四角スイカ、海外でも注目されていて、カナダやドイツなどにも届けられているそうです。「クールジャパン」な存在として、外国の方の目には、より新鮮に映るのかもしれません。
そして、気になるお値段。
四角いスイカは、1個あたり1万円〜1万5千円前後。
海外ではさらに高値で取引されることもあるそうです。
普通のスイカが数千円で買えることを考えると、やっぱり「飾るための特別なスイカ」なんだなあ、と実感しますよね。
ちなみに、この善通寺の四角スイカ、2019年には「地理的表示(GI)保護制度」という、国のお墨付き制度にも登録されています。
生産者さんは現在9名ほどで、年間に作られるのは数百個程度。
まさに、手間ひまかけた、香川の夏の芸術品なんですね。
まとめ:四角いスイカは「食べる」より「飾る」スイカだった

いやー、調べてみて本当に面白かったです。
今日のお話を、まとめてみますね。
- 四角いスイカは、一辺約19cmの立方体。香川県善通寺市の特産品
- 作り方は「四角い型に入れて育てる」だけ。品種は普通の「縞王」
- 未熟なうちに収穫するので、甘くなく食べられない。約1年腐らない
- 正体は「観賞用・ディスプレイ用」のスイカだった
- もとは「冷蔵庫に収まりやすく」という実用目的の発想だったという説も
- 三角(ピラミッド)やハート型も存在する
- 1個1万円超え。お店の飾りや高級ギフト、海外でも人気
「四角いスイカ=珍しくて美味しい高級スイカ」だと、なんとなく思っていた方も多いんじゃないでしょうか。
僕も、ちゃんと調べるまではそう思っていました。
でも実際は、「食べる」ためではなく「飾る」ための、職人さんの技が詰まった芸術品だったんですね。
なんだか、ひとつ賢くなった気がしませんか?(笑)
そして・・・ここからは果物屋としての、正直な気持ちなんですが。
やっぱり僕は、かぶりついた瞬間に果汁があふれる、甘くて丸いスイカが、たまらなく好きなんです(笑)
四角いスイカは目で楽しんで、お腹は、しっかり甘い丸いスイカで満たす。
これが、夏の正解じゃないかなと思います。
うちのショップでも、熊本・岡山農園さんの春スイカから、山形・むらかみ農園さんの夏スイカまで、「食べて本当に美味しい」スイカを取り揃えていますので、よかったら覗いてみてくださいね。
※【参考】「黄金色の果肉で糖度20度クラス」という、味で勝負した幻のスイカもあります。こちらもどうぞ。
→ スイカ「金色羅皇(こんじきらおう)」とは?黄金の果肉を持つ幻のスイカを徹底解説
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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