フルーツショップ「ときわオンライン」の店長日記。旬のフルーツ、カット方法、保存方法、などフルーツ情報を書いています

果物語(くだものがたり)

紅伊豆とは?スーパーで見かけない、甘い赤ぶどう

2026年9月29日

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

先日、山梨の勝沼で、ぶどうの直売所めぐりをしてきました。

その様子をYouTubeに出したところ、思っていた以上にたくさんの方に見ていただいていて。

「ぶどうの品種のことを知りたい方って、こんなに多いんだな」と、あらためて感じています。

そこで、動画の中で食べた品種を、1つずつ詳しく紹介していくことにしました。

第1回は、紅伊豆(べにいず)です。

勝沼で食べたぶどうの中で、僕がいちばん衝撃を受けた品種なんです。

でもこの紅伊豆、スーパーではまず見かけません。

調べてみると、それにはちゃんと理由がありました。

今日は、

  • 紅伊豆がどんなぶどうなのか
  • 直売所で食べた正直な感想
  • 生みの親は、ピオーネを作った人だった話
  • スーパーで見かけない理由
  • 皮・種・旬と、選び方・保存方法

まで、お話しします。

それでは、いきましょう!


紅伊豆ってどんなぶどう?

まずは基本から。

項目 内容
読み方 べにいず
色 紫がかった赤
生まれ 「紅富士(べにふじ)」というぶどうの枝変わり
粒の大きさ 1粒13〜16gほどの大粒
糖度 18〜20度ほど
酸味 弱い
種 種ありが多い(種なしに育てたものもある)
皮 むいて食べる(身離れがよく、むきやすい)
旬 8月〜9月ごろ
主な産地 岩手県(全国の約6割)、滋賀県、埼玉県

ひとことで言うと、大粒で、とにかく甘い赤ぶどうです。

酸味が弱いので、甘さがまっすぐ伝わってきます。

「枝変わり」というのは、木の枝の一部が突然変異を起こして、もとの木とは違う実がなることです。

紅伊豆は、紅富士の木にあらわれた、粒が大きくて早く熟す枝から生まれたんだそうです。


勝沼の直売所で食べて、衝撃を受けました

紅伊豆に出会ったのは、勝沼の直売所です。

「紅伊豆って何ですか?」と聞いたら、「ちょっと食べてみー」と試食させてもらいました。

これが、めちゃくちゃ美味しくて。

「これ、買って帰りたいんですけど」と言ったら、

「これ形悪いやつだから、もらっていき」

と、訳ありのぶどうをいただいてしまいました(笑)

山梨の人、本当に優しいです。

車の中で、あらためて食べてみました

いただいた紅伊豆を、車の中でじっくり食べてみました。

まず、種がありました。

皮をぷちっと取ると、実がスポッと抜けて、めちゃくちゃ食べやすいです。

味は、とにかく甘い。

酸味がほとんどなくて、ぶどうの濃い味がしっかりします。

香りも強くて、僕の感想では、巨峰より甘いかもしれないと思いました。

食べた感じは、ピオーネにちょっと近いかな。

それから面白かったのが、巨峰みたいな黒ぶどうの味がするのに、ほんのりマスカットの香りもするところです。

もうひとつ驚いたのが、果汁です。

巨峰やピオーネもそうなんですが、皮のすぐ内側に、甘い果汁がたっぷり入っていて、噛んだ瞬間にバッとはじけるんです。

果肉は少しゼリーっぽくて、スチューベンやナイアガラのような、プルプルとした食感でした。

※【参考】勝沼の直売所めぐりのことは、こちらの記事で書いています。

→ 山梨・勝沼のぶどう直売所めぐり|珍しい品種を食べ比べ


生みの親は、ピオーネを作った井川秀雄さん

食べていて感じた、「黒ぶどうの味に、ほんのりマスカットの香り」。

調べてみると、ちょっと納得する話が出てきました。

紅伊豆のもとになった紅富士は、

「ゴールデンマスカット」×「クロシオ」

を掛け合わせて生まれたぶどうなんだそうです。

親の片方には、名前のとおり「マスカット」がついているんですね。

僕が感じたマスカットの香りは、もしかするとここから来ているのかもしれません。

そして、この紅富士を育てたのが、井川秀雄(いがわ ひでお)さん。

ピオーネの生みの親として知られる方です。

井川さんは、静岡県の伊豆の方。

巨峰を生み出した大井上康(おおいのうえ やすし)さんの研究所で、ぶどうの交配を教わったそうです。

そして生涯で、1,000種を超える交配種を作り出したと言われています。

その中のひとつが、巨峰を親にして生まれたピオーネなんですね。

紅伊豆は、その井川さんが育てた紅富士から、枝変わりで生まれたぶどうです。

名前の「伊豆」の由来がはっきり書かれた資料は見つけられなかったんですが、
井川さんが伊豆の方だと知ると、なんだか納得してしまいますね。

ちなみに紅伊豆は、巨峰やピオーネと同じ「4倍体」という、粒が大きくなりやすいグループのぶどうだそうです。

※【参考】ピオーネの生まれについては、こちらで詳しく書いています。

→ ピオーネのすべて。「開拓者」と名付けられた巨峰の子


スーパーで見かけないのは「粒が落ちやすい」から

これだけ美味しいのに、紅伊豆はスーパーでまず見かけません。

その理由のひとつが、粒が落ちやすいことです。

実は、直売所のおっちゃんも、熟してくると粒がけっこう落ちるんだと言っていました。

僕が食べたときも、実際にけっこう粒が落ちました。

調べてみると、紅伊豆には、

  • 熟すと粒が落ちやすい
  • 日持ちが短い

という弱点があるんだそうです。

箱に詰めて遠くの市場まで運ぶには、あまり向いていないんですね。

そのため、観光農園や直売所で売られることが多いんだとか。

僕が紅伊豆に出会えたのも、直売所だったからこそなんだと思います。

いちばん作っているのは、岩手県

もうひとつ意外だったのが、産地です。

2022年の国の調査によると、紅伊豆の栽培面積はこうなっています。

順位 県 割合
1位 岩手県 約61%
2位 滋賀県 約13%
3位 埼玉県 約12%

全国の6割ほどが、岩手県なんです。

岩手の中でも、花巻市や紫波町(しわちょう)が産地として知られているそうです。

そして、全国の栽培面積はおよそ20ヘクタール。

2010年には約39ヘクタールあったそうなので、12年でほぼ半分に減っていることになります。

売り場で見かけないのも、納得ですね。


皮は?種は?食べ方と選び方

皮は、むいて食べる

紅伊豆の皮は、少し厚みがあります。

ただ身離れがいいので、つるっとむけます。

僕が食べたときも、皮を取ると実がスポッと抜けました。

皮ごとよりも、むいて食べるのがおすすめです。

種は、あることが多い

紅伊豆は、種ありのものが多いぶどうです。

僕が食べたものにも、種が入っていました。

ただ、ジベレリン処理という方法で、種なしに育てたものもあるそうです。

買うときに、種ありか種なしかを確認してみてください。

旬は、8月〜9月ごろ

収穫は、だいたい8月〜9月ごろです。

産地や、その年の天候によって、少し前後するそうです。

僕が勝沼で食べたのは、9月の中旬でした。

選び方と保存方法

選ぶときは、

  • 全体がしっかり赤く色づいているもの
  • 軸が緑色で、枯れていないもの
  • 粒にハリがあるもの

を選ぶといいそうです。

保存は、冷蔵庫の野菜室で。

紅伊豆は粒が落ちやすく、日持ちもしないので、なるべく早めに食べるのがいちばんです。

すぐに食べきれないときは、1粒ずつキッチンバサミで切り分けて、冷蔵庫で保存するといいそうです。

※【参考】食べきれないぶどうは、冷凍するのもおすすめです。

→ ぶどうは冷凍できる?皮がツルンとむける保存術と食べ方


ときわオンラインの赤いぶどう

正直に言うと、ときわオンラインでは紅伊豆は扱っていません。

粒が落ちやすく、日持ちもしないので、遠くまでお届けするのはなかなか難しいぶどうなんだと思います。

そのかわり、赤いぶどうなら、山梨・南アルプス市の秋山農園さんのぶどうがあります。

赤いシャインマスカットと呼ばれている、サンシャインレッド(訳あり)。

→ 秋山農園のサンシャインレッド(訳あり)はこちら

赤いマスカットと呼ばれている、甲斐路(かいじ)。

→ 秋山農園の甲斐路はこちら

ほかのぶどうも、こちらからご覧いただけます。

→ ときわオンラインのぶどう一覧はこちら

※【参考】秋山農園さんのことは、こちらの記事で紹介しています。

→ 秋山農園さん(山梨)消えゆく甲斐路と、生まれたての赤いぶどう


まとめ:紅伊豆は、直売所で出会いたいぶどう

紅伊豆のお話でした。

ポイント 内容
どんなぶどう? 大粒で酸味が弱く、とても甘い赤ぶどう
生まれ 紅富士の枝変わり。紅富士は、ピオーネの生みの親・井川秀雄さんが育てた
味(僕の感想) 巨峰より甘いかも。黒ぶどうの味に、ほんのりマスカットの香り
皮と種 皮はむいて食べる。種ありが多い
旬 8月〜9月ごろ
主な産地 岩手県が約6割
見かけない理由 粒が落ちやすく、日持ちが短い

紅伊豆は、スーパーではなかなか出会えないぶどうです。

でも、観光農園や直売所に行けば、出会えるかもしれません。

もし見かけたら、ぜひ一度食べてみてください。

僕みたいに、きっと衝撃を受けると思います(笑)

動画で食べたほかの品種も、これから1つずつ紹介していきますね。

 

動画はこちらです。紅伊豆を食べているのは、5分49秒あたりからです。

https://www.youtube.com/watch?v=HL7YDddce7M

 

本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

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