フルーツショップ「ときわオンライン」の店長日記。旬のフルーツ、カット方法、保存方法、などフルーツ情報を書いています

果物語(くだものがたり)

柿は英語で何?世界で「kaki」と呼ばれる理由

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

突然ですが、クイズです。

柿は英語で何と言うでしょう?

「persimmon(パーシモン)」

はい、正解です。学校でもそう習いますよね。

・・・でも実は、それだけだと海外で通じないことがあります。

というのも、世界の多くの国で、柿はこう呼ばれているんです。

「kaki」

そう、日本語のままです。

フランスでも、イタリアでも、スペインでも、ドイツでも。

「カキ」で通じます。

考えてみてください。

果物の名前で、日本語がそのまま世界の共通語になっているものが他にありますか?

りんごはapple、みかんはmandarin、桃はpeach。

柿だけ、日本語なんです。

しかも、学名を調べていくと、もっと面白い話が出てきました。

柿の学名は「神の食べ物」という意味で、
名づけたのはスウェーデン人の医者だったんです。

今日は、そんな柿の名前をめぐる話をお届けします。

読み終わる頃には、柿を人に自慢したくなっているはずですよ(笑)

それでは、いきましょう!


柿は英語で「persimmon」。でも少しズレがあります

まずは基本から。

英語で柿は persimmon(パーシモン)

これは間違いありません。辞書にもそう載っています。

ただ、ネイティブの感覚では少し事情が違います。

persimmon は、アメリカ在来の柿を指すことが多いんですね。

アメリカには昔から、日本の柿とは別のアメリカガキという種類が自生しています。

実は小さくて、渋い。

そして木材が硬くて丈夫なので、ゴルフクラブのヘッドに使われてきました。

「パーシモンのドライバー」

ゴルフをやる方なら、聞いたことがあるのではないでしょうか。

つまり英語圏で persimmon と言うと、

果物というより「木材」のイメージが強い場合すらあるわけです。

じゃあ、日本から伝わった甘い柿はどう呼ぶのか。

そこで登場するのが――

kaki です。


世界の多くの国で、柿は「kaki」

日本の柿がヨーロッパに伝わったのは19世紀ごろ。

そのとき、名前も一緒に渡っていきました。

結果、こうなっています。

● フランス → kaki
● イタリア → cachi(カキ)
● スペイン → kaki
● ドイツ → Kaki
● オランダ、北欧など → kaki

見事に「カキ」です。

イタリアの「cachi」は綴りこそ違いますが、読み方はカキ

日本語の音がそのまま残っているんですね。

僕はこれを知ったとき、素直に嬉しかったです。

だって、パリの市場で

「カキ、ください」

で通じるわけですよ。

なんだか誇らしくないですか(笑)

ちなみに英語圏でも、日本由来の甘柿を指すときは
Japanese persimmonkaki と呼ばれることがあります。

覚えておくと、海外の八百屋さんで役に立つかもしれません。


学名は「神の食べ物」

さらに面白いのが、学名です。

柿の学名は――

Diospyros kaki(ディオスピロス・カキ)

後半はご覧の通り、そのまま「kaki」

日本語が学名になっているんです。

そして前半の Diospyros

これはギリシャ語の

  • dios = 神の
  • pyros = 穀物・食べ物

を組み合わせた言葉で、意味はこうなります。

「神の食べ物」

・・・すごくないですか。

日本の柿が、神の食べ物と名づけられて世界に出ていった。

秋になったらそのへんの庭に普通になっている、あの柿がですよ(笑)

でも、言われてみると納得もするんです。

柿は日本各地の神社やお寺の境内によく植えられていますし、
昔から神様へのお供え物でもありました。

外国人の目には、「神域に実る果実」として映ったのかもしれません。


名づけたのは、スウェーデン人の医者だった

では、誰がこの名前をつけたのか。

カール・ツンベルクというスウェーデン人です。

医者であり、植物学者。

彼は江戸時代の日本に滞在し、日本の植物をヨーロッパへ紹介した人物です。

伝えられている話によると――

1776年、箱根での調査中に、寺社の境内に実る柿を目にした。

そして、神の食べ物を意味する Diospyros の名を与えた。

いい話だと思いませんか。

鎖国中の日本で、外国人の学者が箱根の山を歩いていて、
お寺の境内にオレンジ色の実がなっているのを見つける。

「これは何という果物ですか」
「カキです」

そのやりとりが、そのまま学名になって、
250年後のいまも世界中で使われている。

ロマンがありますよね。


世界でいちばん柿を作っているのは、どこ?

ここまで来ると、気になりませんか。

世界で柿を一番作っている国はどこなのか。

答えは――

中国です。しかも圧倒的。

順位 ひとこと
1位 中国 世界の約8割を占める圧倒的1位
2位 韓国 干し柿の文化も盛ん
3位 アゼルバイジャン 意外な柿大国
4位 日本 品種の多さと品質では負けません

中国だけで世界の8割。

これは驚きました。

そして日本は4位。

ただ、日本の強みは量ではなく質と品種の多さです。

甘柿・渋柿あわせて1,000を超える品種があると言われていて、
これは世界的に見てもかなり異常な多様性なんですね。

秋王、太秋、富有、紀ノ川、八珍・・・

うちが扱っている柿だけでも、味も食感もまったく違います。

「柿」でひとくくりにできない国なんです、日本は。

さらに近年は、スペインがヨーロッパ向けの柿産地として急成長しています。

冬のヨーロッパのスーパーには、
スペイン産やイタリア産の「kaki」が普通に並ぶようになりました。

日本生まれの果物が、地中海で育てられて、ヨーロッパの食卓に届く。

柿は、思っている以上に世界の果物なんですね。

※【参考】日本の柿の品種については、こちらの記事で紹介しています。
柿のおすすめ種類6選!ランキング6でまとめました


まとめ:柿は、日本語のまま世界へ出ていった果物

今日のお話を、まとめますね。

  • 柿は英語で persimmon。ただしアメリカ在来種や木材を指すことが多い
  • ヨーロッパでは「kaki」。フランス・スペイン・ドイツでそのまま通じる
  • イタリアは cachi。綴りは違うが読みは「カキ」
  • 学名は Diospyros kaki。Diospyros はギリシャ語で「神の食べ物」
  • 名づけたのはスウェーデン人医師ツンベルク。1776年、箱根の寺社で柿を見て命名したと伝わる
  • 世界一の産地は中国で約8割。日本は4位だが品種の多さは世界屈指

僕がこの話でいちばん好きなのは、

日本語が、そのまま果物の名前として世界に定着している

というところです。

海の向こうの人が「カキ」と言いながらこの果物を食べている。

そう思うと、秋にいつも通り届く柿が、
ちょっと違って見えてきませんか。

そして日本には、世界のどこにもない品種の柿があります。

種がなくて食べやすい秋王、りんごのようにサクサクした太秋柿、木の上で渋を抜いた紀ノ川柿

こういう柿は、まだ世界のほとんどの人が知りません。

日本にいる僕らの特権だと思っています。

農家直送の美味しい柿はこちらからご覧いただけます

※【参考】「桃栗三年柿八年」の由来を調べた記事もあります。こちらも読み物として面白いですよ。
桃栗三年柿八年は本当?果物屋が本気で検証


本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

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