フルーツショップ「ときわオンライン」の店長日記。旬のフルーツ、カット方法、保存方法、などフルーツ情報を書いています

果物語(くだものがたり)

極早生みかんとは?緑色なのに甘い理由と旬

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

まだ暑さが残る9月の終わり。

スーパーの果物売り場に、緑色のみかんが並び始めます。

「え、まだ青いけど大丈夫?」
「これ、絶対酸っぱいやつでしょ」

・・・そう思って、手に取らずに通り過ぎていませんか?

もったいない!

あれは極早生みかん(ごくわせみかん)といって、
その年いちばん最初に出てくるみかんです。

そして僕は、果物屋としてはっきり言いたい。

極早生みかんは、青い見た目で完全に損をしています。

たしかに酸味はあります。冬のみかんのような、とろけるような甘さではありません。

でも、酸味と甘みのバランスが本当にいい。

キュッと引き締まった、あの味。

しかも――

この味を楽しめるのは、1年でたった1ヶ月ほどです。

今日は、

  • 極早生みかんとは何なのか
  • なぜ皮が緑色なのか
  • 「酸っぱい」は本当なのか(果物屋の本音)
  • 主な品種と、早生みかんとの違い
  • 美味しい極早生の選び方

まで、まるっとお伝えします。

読み終わる頃には、緑のみかんを買いたくなっているはずです(笑)

それでは、いきましょう!


極早生みかんとは?シーズン一番手のみかん

まず、基本から。

極早生みかんは、温州みかんの分類のひとつです。

温州みかんは、収穫時期によって4つに分けられます。

極早生 → 早生 → 中生 → 晩生

このうち、いちばん最初に登場するのが極早生

  • 旬は9月下旬〜10月下旬
  • 露地栽培の温州みかんの中で、最も早く実る
  • 皮に緑色が残った状態で出荷される
  • 袋(じょうのう膜)が薄くて食べやすい

読み方は「ごくわせ」。

「ごくそうせい」ではないので、お店で言うときは気をつけてくださいね(笑)

そして意外に思われるかもしれませんが、
極早生みかんは早生みかんの枝変わり(突然変異)から生まれています。

ある日、木の一部の枝だけ実が早く色づいた。

それを見つけた人が「これは早く出荷できるぞ」と増やしていった。

偶然の発見から生まれた、シーズンの先発ピッチャーなんですね。

※【参考】温州みかんの4分類そのものについては、こちらで詳しく解説しています。
温州みかんとは?品種一覧と選び方を果物屋が解説


なぜ皮が緑色なの?

いちばんよく聞かれる質問です。

「緑ってことは、未熟なんじゃないの?」

半分正解で、半分違います。

みかんの皮がオレンジ色になるのは、
気温が下がることで、緑色の色素(クロロフィル)が分解されるからです。

つまり――

皮の色は「寒さ」で決まるのであって、中身の熟し具合とは別なんですね。

極早生みかんが出回るのは9月下旬〜10月。

まだ気温が高い。

だから皮の緑が抜けきらないうちに収穫時期を迎えてしまう。

中身はちゃんと食べ頃なのに、外側だけ夏の顔をしている。

これが、極早生みかんが「未熟そう」に見えてしまう正体です。

損してますよね、本当に。

ちなみに、極早生の中でも時期が進むにつれて緑は抜けていきます。

  • 9月下旬〜10月上旬:緑が多め。酸味しっかり
  • 10月中旬〜下旬:黄色〜オレンジに近づく。甘みが増す

「酸っぱいのが苦手」という方は、10月中旬以降を狙うのがおすすめです。


「酸っぱい」は本当か?果物屋の本音

さて、ここが一番大事なところです。

ネットで極早生みかんを調べると、

「酸味が強い」「甘みは少ない」「酸っぱいのが苦手な人にはおすすめできない」

といった説明をよく見かけます。

正直に言うと、間違ってはいません。

冬の完熟みかんと比べたら、酸味は明確にあります。

そこは正直にお伝えしておきます。

でも。

僕が実際に食べて思うのは、「意外に甘い」なんです。

黄色く色づいた温州みかんに比べれば、たしかに酸味はある。

でも、酸味と甘みのバランスがすごくいい。

キュッと引き締まっていて、後味が爽やか。

ダラダラ甘いだけじゃない、輪郭のある美味しさがあるんですね。

暑さがまだ残る時期に食べるからこそ、
この爽やかさが気持ちいい。

差が出るのは「いつ収穫したか」

なぜ評価が分かれるのか。

収穫のタイミングだと思っています。

出荷団体に納める農家さんは、決められた出荷時期に合わせて収穫します。

一方、直販している農家さんは、味の乗り具合を見て収穫できる。

同じ極早生でも、

  • 出荷スケジュール優先で早めに採ったもの
  • 味を見てギリギリまで待ったもの

では、別物といっていいくらい違います。

「極早生は酸っぱい」というイメージは、
前者に当たった人が多いからではないかな、と思うんです。

ちゃんと味を見て採られた極早生を一度食べてみてほしい。

たぶん、印象が変わります。


極早生の主な品種

極早生みかんにも、いくつか品種があります。

品種 特徴
日南1号(にちなんいちごう) 極早生の主流。着色が早く食べやすい
上野早生(うえのわせ) 宮川早生の枝変わり。バランス型
岩崎早生(いわさきわせ) 興津早生の枝変わり。早い時期から食べられる
宮本早生(みやもとわせ) 宮川早生の枝変わり

見てのとおり、多くが「早生みかんの枝変わり」です。

宮川早生から上野早生と宮本早生、
興津早生から岩崎早生。

優秀な親から、より早いタイプが枝分かれしていったわけですね。

ただ、これも正直に言っておくと――

スーパーでこれらの品種名が表示されることは、ほぼありません。

「極早生みかん」とだけ書かれて売られるのが普通です。

品種まで知りたい場合は、産地直送で買うのが確実ですね。


早生みかんとの違い

よく混同されるのが、極早生と早生です。

比較項目 極早生みかん 早生みかん
時期 9月下旬〜10月下旬 10月下旬〜12月
皮の色 緑が残る オレンジ
酸味 しっかりある 穏やか
甘み すっきり しっかり
袋(じょうのう) 薄くて食べやすい 薄め
味の印象 爽やか・引き締まった バランス型・王道

極早生は「爽やかさ」、早生は「バランス」

そう覚えておくと分かりやすいと思います。

そして、この2つが終わると中生・晩生へと進んで、
どんどん濃厚な甘さの方向へ移っていきます。

秋から冬にかけて、みかんは少しずつ味が変わっていく。

その最初の一歩が、極早生なんですね。

※【参考】柑橘全体の時期を一覧で見たい方は、こちらの早見表をどうぞ。
みかんの旬はいつ?柑橘の時期がわかる早見表


美味しい極早生みかんの選び方

売り場で選ぶときのポイントです。

● 緑一色より、少し黄色みが差しているもの

完全に緑のものは酸味が強い傾向があります。
黄色がかり始めたあたりが、酸味と甘みのバランスがいいゾーンです。

● 小さめを選ぶ

みかん全般に言えますが、同じ品種なら小さいほうが味が濃いです。

● 皮が薄く、実に張り付いているもの

皮が浮いているものは味がぼやけがちです。

● ずっしり重いもの

果汁が多い証拠です。

● ヘタが小さいもの

軸が太いものは水分が多く、大味になりやすい傾向があります。

買ったあとの一手間

もし食べてみて「ちょっと酸っぱいな」と思ったら、
常温で2〜3日置いてみてください。

追熟で少しずつ酸が抜けて、まろやかになります。

※【参考】酸っぱいみかんを甘くする裏技は、こちらで詳しくまとめています。
「すっぱいみかん」が劇的に甘くなる!自宅でできる裏技と保存の秘密


まとめ:1年で1ヶ月だけの味です

今日のお話を、まとめますね。

  • 極早生みかんは、その年いちばん最初に出てくる温州みかん
  • 旬は9月下旬〜10月下旬。楽しめるのは1ヶ月ほど
  • 皮が緑なのは未熟だからではなく、気温が高くて色素が抜けないから
  • 酸味はあるが、甘みとのバランスがよく爽やか
  • 10月中旬以降のほうが緑が抜け、甘みが増す
  • 主な品種は日南1号・上野早生・岩崎早生など。多くが早生の枝変わり
  • 選ぶなら「少し黄色みが差した、小さめでずっしり」

冬のみかんが「ほっとする甘さ」だとしたら、
極早生みかんは「シャキッとする爽やかさ」です。

どちらが上ということではなく、別のおいしさなんですね。

そして何より、この味を食べられるのは1年でたった1ヶ月ほど。

11月になれば、もう店頭から姿を消してしまいます。

「青いから」と敬遠していた方こそ、今年は一度試してみてください。

うちのショップでは、愛媛・八幡浜のマルナカ農園さんの極早生みかんを、
9月下旬から10月下旬まで農家直送でお届けしています。

出荷団体のスケジュールではなく、農家さんが味を見て収穫した極早生です。

シーズンが短いので、気になる方はお早めにどうぞ。

農家直送のみかんはこちらからご覧いただけます

※【参考】みかんの選び方や品種の全体像は、こちらの記事にまとめています。
温州みかんとは?品種一覧と選び方を果物屋が解説


本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

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