富有柿とは?甘柿の王様の歴史と次郎柿との違い
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
「柿」と聞いて、思い浮かべる形がありますよね。
丸くて、少し平たくて、オレンジ色で、つやつやしている。
たぶん、その柿は富有柿(ふゆうがき)です。
日本でいちばん多く作られている柿であり、
「甘柿の王様」と呼ばれる品種。
でも――
この王様がどこで生まれたか、知っている方は少ないと思います。
答えは岐阜県です。
しかも、生まれたのは明治時代。
そして名前の由来は、中国の古典にあります。
今日は、
- 富有柿はどこで、どうやって生まれたのか
- 「富有」という名前の意味
- 次郎柿と何が違うのか(よく比べられます)
- うちが扱っている岐阜の柿専門農家さんのこと
- 今年、正直にお伝えしなければいけない話
まで、お伝えします。
王様の素性を、しっかり知ってから食べてほしいんです。
それでは、いきましょう!
富有柿は、岐阜県瑞穂市で生まれました
富有柿の発祥の地は、岐阜県瑞穂市居倉(いくら)です。
明治時代、この居倉には「居倉御所(いくらごしょ)」という甘柿がありました。
「御所柿」というのは、奈良の御所(ごせ)が発祥とされる甘柿のルーツのような品種です。
その居倉御所の中に、味も色も形も飛び抜けて優れた木があった。
それに目をつけたのが、居倉の福嶌才治(ふくしま さいじ)という人物です。
福嶌さんは、その優れた木から接ぎ穂をとって増やしました。
そして明治25年(1892年)、この柿に名前をつけます。
「富有」。
ここから、富有柿の歴史が始まりました。
瑞穂市には今も「富有柿の原木」が残っていて、
市の天然記念物になっています。
つまり――
富有柿は「見つけた人」がいる柿なんです。
品種改良で作られたのではなく、
もともとあった木の中から、いちばんいい木を選び出した。
そういう生まれ方をしています。
「富有」という名前は、中国の古典から
名前の話をします。
「富有」って、ちょっと変わった名前だと思いませんか。
これ、中国の古典『礼記(らいき)』の一節から取られています。
「富有四海之内(ふゆう しかいのうち)」
「四海の内を富ませる」――
つまり、「世の中を豊かにする」という意味です。
命名の際、福嶌さんには「福寿」と「富有」の二つの案があったそうです。
それを地元の小学校の校長先生に相談して、「富有」に決まったと伝わっています。
世の中を豊かにする柿。
名前のとおり、富有柿はその後、日本中に広がっていきました。
今では日本でいちばん作られている柿の品種です。
明治の岐阜で、ひとりの人がつけた名前が、
130年経って、日本の柿の代名詞になっている。
なかなかの話だと思いませんか。
甘柿の王様と呼ばれる理由
富有柿が「王様」と呼ばれるのには、ちゃんと理由があります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 甘さ | 強い。甘柿の中でもトップクラス |
| 果肉 | やわらかく、ジューシー |
| 食感 | とろけるような口当たり |
| 形 | 丸みがあって、ふっくら |
| 種 | 少なめで食べやすい |
| 日持ち | 甘柿の中では比較的よい |
ポイントは、やわらかさです。
柿には「硬めでシャキシャキ」の品種と、「やわらかくてとろける」の品種があります。
富有柿は、完全に後者。
かぶりつくと、口いっぱいに上品な甘さと果汁が広がる。
「柿はやわらかいのが好き」という方には、これ以上ない品種だと思います。
逆に言うと――
「柿はカリカリが好き」という方には、別の品種をおすすめします。
それが、次の話です。
次郎柿との違い
富有柿とよく比べられるのが、次郎柿(じろうがき)です。
どちらも甘柿の代表品種ですが、性格は正反対です。
| 比べるところ | 富有柿 | 次郎柿 |
|---|---|---|
| 発祥 | 岐阜県 | 静岡県 |
| 形 | 丸みがある | 四角っぽく、角ばっている |
| 果肉 | やわらかい | 硬め |
| 食感 | とろける | シャキシャキ |
| 甘さ | 強い | 富有よりやや控えめ |
| 果汁 | 多い | 少なめ |
| 主な産地 | 岐阜・奈良・和歌山・福岡 | 静岡・愛知 |
いちばん分かりやすいのは形です。
富有は丸く、次郎は四角い。
上から見ると、次郎柿は角が4つあるように見えます。
そして食感。
とろける富有、シャキシャキの次郎。
これはもう、好みですね。
僕は正直、両方好きです(笑)
ただ、うちで扱っているのは富有柿。
理由は、「甘さ」と「果汁」で選ぶなら富有だと思っているからです。
ちなみに、秋王の親は富有柿です
余談ですが、うちでいちばん推している柿「秋王(あきおう)」。
この秋王の親は、太秋柿と富有柿なんです。
太秋柿のサクサク食感と、富有柿の強い甘み。
その両方を受け継いだのが秋王です。
富有柿は、新しい品種の「親」にもなっているんですね。
さすが王様、といったところです。
うちの富有柿は、岐阜の柿専門農家「せっきーファーム」さん
うちで扱っている富有柿は、
富有柿発祥の地・岐阜県のせっきーファームさんが育てたものです。
園主は関谷英樹さん。
柿専門の農家さんです。
みかんも桃も作らず、柿だけ。
富有柿の本場で、柿だけを作り続けている。
うちが扱っているのは、
| 商品 | 内容 |
|---|---|
| 贈答用 | 3.5kg |
| 訳あり(家庭用) | 4kg |
の2種類です。
贈答用は、見た目もそろった箱詰め。
訳ありは、見た目に多少の傷やムラはあるけれど、味は同じというものです。
自宅用なら、正直、訳ありで十分だと思います。
今年、正直にお伝えしなければいけないこと
ここで、ひとつ正直な話をさせてください。
今年の富有柿は、去年より値段が上がっています。
理由は、資材や燃料の価格が上がったからです。
8月の終わりに、関谷さんから連絡がありました。
資材も燃料も人件費も上がっていますし、
今年の猛暑で手間も増えていると、とのこと
そしてもうひとつ。
せっきーファームさんには、富有柿のほかに「ハロウィン柿」という早生の柿があったのですが――
今年(2026年)は、取り扱いがありません。
猛暑で数が少なくなっているとのことで、
来年以降も難しいかもしれない、と関谷さんから伺っています。
こういう話は、あまり書きたくないんですが、
今年の畑で何が起きているかは、知っておいてほしいと思っています。
食べ頃と食べ方
● 旬
せっきーファームさんの富有柿は、11月中旬〜12月中旬の出荷です。
富有柿は晩生(おくて)の品種なので、柿の中では遅めです。
● 食べ頃の見分け方
富有柿は、ヘタの近くまでオレンジ色になっていれば食べ頃です。
全体が均一に色づいて、軽く押して少し弾力があれば完璧。
● 硬めが好きなら、届いてすぐ
届いた直後は、まだ少し硬めのシャキシャキです。
これはこれで美味しい。
● とろとろが好きなら、数日待つ
常温に2〜3日置くと、とろっとやわらかくなります。
富有柿の本領は、ここです。
● 保存
冷蔵庫の野菜室で、ヘタを下にして。
1個ずつラップで包むと、さらに長持ちします。
※【参考】柿の保存についてはこちらにまとめています。
まとめ:王様には、ちゃんと素性がある
今日のお話を、まとめますね。
- 富有柿の発祥は岐阜県瑞穂市居倉。「居倉御所」の中の優れた木から生まれた
- 福嶌才治氏が接ぎ穂で増やし、明治25年(1892年)に「富有」と命名
- 名前は『礼記』の「富有四海之内」=世の中を豊かにする、から
- 日本でいちばん作られている柿。「甘柿の王様」
- やわらかくてとろける。次郎柿はシャキシャキで四角い
- 秋王の親は太秋柿と富有柿
- うちの富有柿は、発祥の地・岐阜の柿専門農家「せっきーファーム」さん
- 今年は仕入値上げで価格が上がっている。ハロウィン柿は今年なし
- 旬は11月中旬〜12月中旬。ヘタの近くまで色づけば食べ頃
「柿の王様」と呼ばれる富有柿。
でも、その王様にもちゃんと生まれた場所があって、名付けた人がいるんですよね。
明治の岐阜で、ひとりの人が「世の中を豊かにする柿」と名付けた。
そして130年後、その岐阜で柿だけを作り続けている農家さんの富有柿を、うちで扱っている。
そう思うと、一個の柿がちょっと違って見えませんか。
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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