あんぽ柿とは?干し柿との違いと、とろける理由
こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
「あんぽ柿」と「干し柿」って、何が違うの?
これ、けっこう聞かれます。
同じものだと思っている方も多いのですが――
違います。
そして、その違いを知ると、
あんぽ柿のあの「とろとろ」がなぜ生まれるのかが分かります。
実は僕、干し柿を自分で作ったことがあるんです。
フルーツ屋の店長として恥ずかしながら、初めて作ったのは2023年。
そして去年は、友人からもらった渋柿100個を、次男と二人で剥きました。
その話も交えながら、今日は、
- あんぽ柿と干し柿の違い(水分が全然違います)
- なぜとろとろなのか
- 福島で生まれた、意外と新しい歴史
- 「あんぽ」って何?(名前の由来)
- うちで扱っている2つの産地のあんぽ柿
まで、お伝えします。
あんぽ柿は「干し柿の一種」ではなく、「干し柿の中の別ジャンル」です。
それでは、いきましょう!
あんぽ柿と干し柿、いちばんの違いは「水分」
先に結論を書いてしまいます。
| 比べるところ | あんぽ柿 | 一般的な干し柿(ころ柿など) |
|---|---|---|
| 水分 | 約50% | 25〜30%ほど |
| 見た目 | 鮮やかなオレンジ色 | 茶色〜黒っぽい |
| 表面 | しっとり | 白い粉(糖分)がふく |
| 食感 | とろとろ、ゼリーのよう | ねっとり、噛みごたえあり |
| 甘さ | 上品でジューシー | 濃縮されて濃い |
| 日持ち | 短め(冷蔵・冷凍) | 長い |
いちばんの違いは水分です。
あんぽ柿は水分が約50%残っています。
半分は水分。
だから、中がとろとろのゼリー状なんですね。
一方、普通の干し柿はしっかり乾かすので、水分は25〜30%ほど。
表面に白い粉がふいているのを見たことがあると思いますが、
あれは柿の糖分が結晶になったものです。
しっかり乾いているから、糖分が表面に出てくる。
あんぽ柿にはそれがない。まだ半生だからです。
つまり――
あんぽ柿は「半生の干し柿」。
これが、一言で言ったときの答えです。
なぜ「とろとろ」で「オレンジ色」なのか
ここで、疑問が出てくると思います。
半生なら、なぜ傷まないのか。
なぜ茶色くならずに、オレンジ色のままなのか。
答えは、硫黄燻蒸(いおうくんじょう)という工程にあります。
あんぽ柿は、皮をむいたあと、硫黄の煙で燻します。
これによって、
- 酸化を防いで、鮮やかなオレンジ色を保つ
- カビを防いで、半生の状態でも傷みにくくする
という効果が生まれます。
「硫黄」と聞くと不安になる方もいるかもしれませんが、
これは昔から食品の変色防止に使われてきた方法で、
仕上がったあんぽ柿に硫黄が残るわけではありません。
この燻蒸があるから、半生のまま出荷できる。
そして半生だから、とろとろ。
あんぽ柿のあの食感は、この工程の賜物なんですね。
普通の干し柿は燻蒸をしないので、
傷まないようにしっかり乾かす必要がある。
だから硬くなる。
乾かすか、燻すか。
ここで、干し柿とあんぽ柿は別の道を歩むわけです。
発祥は福島。意外と新しい歴史です
あんぽ柿の発祥は、福島県伊達市梁川町の五十沢(いさざわ)地区です。
もともと五十沢では、江戸時代から冬の農閑期に干し柿が作られていました。
「天干柿(あまぼしがき)」と呼ばれていたそうです。
天日で干す柿、という意味ですね。
これが訛って――
「あんぽ柿」。
名前の由来は、そんなにひねったものではなく、「あまぼし」が縮まっただけなんです。
なんだか、かわいらしいですよね。
そして、大正11年(1922年)。
この五十沢で、硫黄燻蒸の技術が確立されました。
翌年には出荷組合ができ、令和4年(2022年)で100周年を迎えています。
つまり――
あんぽ柿は、まだ100年ちょっとの歴史です。
干し柿そのものは何百年もの歴史がありますが、
「あんぽ柿」というジャンルは、大正時代に福島で生まれた比較的新しいものなんですね。
僕が干し柿を作ってみて分かったこと
ここで、少し僕の話をさせてください。
2023年の秋、初めて干し柿を作りました。
フルーツ屋をやっていて、干し柿が大好きで、
半熟のあんぽ柿も、カチカチのころ柿も市田柿も全部好きなのに、
自分で作ったことがなかったんです。
これはいかがなものか、と思いまして(笑)
どうせなら本場で、と奈良県五條市の直売所まで行って、
干し柿用の「江戸柿」という渋柿を買ってきました。
作り方は、拍子抜けするほど簡単でした。
- ヘタを残して皮をむく
- 枝の部分に紐をくくる
- 沸騰したお湯にくぐらせる
- 吊るす
これだけ。
「こんなに簡単なら、前からやっておけばよかった」と思いました。
そして去年(2025年)。
友人から渋柿を100個もらいまして。
さすがに一人では無理なので、次男と二人で包丁とピーラーで格闘しました。
その結果、うちの家には「干し柿カーテン」ができました(笑)
次男は「干し柿ができるまでをクラスで観察したい」と言って、
ひと束を学校に持って行きました。
先生も「大阪では干し柿を作るおうちは珍しいので、いい機会ですね」と喜んでくださったそうです。
作ってみて、あんぽ柿のすごさが分かった
自分で作ってみて、ひとつ分かったことがあります。
家庭で作る干し柿は、どうしても「硬い干し柿」になるということです。
硫黄燻蒸なんてできませんから、
傷まないようにしっかり乾かすしかない。
途中でやわらかい状態のものをつまみ食いすると、それはそれで美味しいんですが、
その状態で保存することはできない。
「半生で、とろとろで、しかも日持ちする」
これは、プロの技術があって初めてできることなんだな、と。
家で作れる干し柿と、農家さんが作るあんぽ柿は、別物です。
作ってみたからこそ、そう思います。
うちのあんぽ柿は、2つの産地から
うちでは、2つの産地のあんぽ柿を扱っています。
| 産地 | 農家さん | 出荷時期 |
|---|---|---|
| 山梨県南アルプス市 | 秋山農園 | 10月上旬〜11月下旬 |
| 和歌山県紀の川市 | グリーンジャンクション | 10月下旬〜3月中旬 |
● 秋山農園さん(山梨)
シャインマスカットや巨峰でおなじみの、うちの主力農家さんです。
ぶどうの農家さんというイメージが強いと思いますが、
あんぽ柿も作られています。
出荷が10月上旬からと早いので、シーズンの最初に届くあんぽ柿です
● グリーンジャンクションさん(和歌山)
こちらは無農薬でおなじみの田村さん。
出荷が3月中旬までと長いので、
冬から春先にかけて楽しみたい方はこちらになります。
秋は秋山さん、冬はグリーンジャンクションさん。
リレーで、長くあんぽ柿を楽しめる形になっています。
食べ方と保存
● そのまま食べる
まずは、そのまま。
冷蔵庫で少し冷やすと、とろとろ感がさらに引き立ちます。
● 半分に切って、スプーンで
とろとろの果肉をスプーンですくうと、和菓子みたいな食べ方になります。
お茶と一緒にどうぞ。
● クリームチーズと合わせる
これ、僕が気に入っている食べ方です。
あんぽ柿を開いて、クリームチーズを乗せる。
甘さと塩気、とろとろとねっとり。
ワインにも合います。
● 保存
あんぽ柿は半生なので、普通の干し柿より日持ちしません。
冷蔵庫で保存して、1〜2週間を目安に。
すぐ食べきれない場合は、冷凍がおすすめです。
半解凍で食べると、シャーベットのようになって、これがまた美味しいんです。
まとめ:干し柿の「別ジャンル」です
今日のお話を、まとめますね。
- あんぽ柿は「半生の干し柿」。水分が約50%残っている
- 一般的な干し柿(ころ柿など)は水分25〜30%。白い粉は糖分の結晶
- とろとろでオレンジ色なのは、硫黄燻蒸で酸化とカビを防いでいるから
- 発祥は福島県伊達市の五十沢。「天干柿(あまぼし)」が訛って「あんぽ」
- 硫黄燻蒸の技術は大正11年(1922年)に確立。2022年で100周年
- 家庭で作る干し柿は硬くなる。半生で日持ちさせるのはプロの技術
- うちは秋山農園(山梨・10月〜)とグリーンジャンクション(和歌山・〜3月)の2産地
- 冷やして、スプーンで。クリームチーズも合う。余ったら冷凍
干し柿を自分で作ってみて、いちばん感じたのは、
「あの半生のとろとろは、家では作れない」
ということでした。
だからこそ、農家さんが作ったあんぽ柿を、
ちゃんと味わって食べてほしいと思っています。
→ グリーンジャンクションのあんぽ柿(和歌山・2パック)はこちら
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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