こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。
「梨のシーズンって、いつ終わると思いますか?」
9月? 10月?
たしかに幸水や豊水は、そのあたりで終わります。
でも実は――
年が明けても食べられる梨があるんです。
しかも、日本でいちばん大きい梨。
その名も、あたご梨(愛宕梨)。
どのくらい大きいかというと、
ずっしり約1kg。片手では持ちきれず、両手でやっと。
ふつうの梨3個分です。
大きいものだと2kgになることもあります。
初めて実物を見たとき、正直「え、これ梨?」と思いました(笑)
そして、この梨がすごいのは大きさだけじゃありません。
お正月に、みずみずしい梨が食卓に出せる。
冬に梨って、なかなか出てこないですよね。
だからこそ、知っている人だけが得をする梨なんです。
今日は、
- あたご梨ってどのくらい大きいの?
- どんな味がするの?
- いつ食べるのがベストなの?
- 保存方法と食べ方
- ふつうの梨との違い
まで、果物屋の目線でお伝えします。
それでは、いきましょう!
まず、大きさに驚いてください
あたご梨の第一印象は、とにかくサイズです。
数字で言うと、
- 平均で約1kg
- 大きいものは2kgにもなる
- ふつうの梨(幸水など)が300g前後なので、約3倍
「1kgの梨」と言われても、ピンときませんよね。
いろんな例え方があるんですが、僕がしっくりきたのはこれです。
片手では持ちきれず、両手でやっと持てる大きさ。
「赤ちゃんの頭ほど」とよく表現されますが、
個人的には小玉スイカくらいと言ったほうが伝わりやすい気がします。
食卓にドンと置くと、確実に「なにこれ!」と言われます。
贈り物にすると、開けた瞬間の反応が全然違うんですよ。
見た目のインパクトだけで、もう成功です(笑)
大正生まれ、100年以上の歴史がある梨
意外に思われるかもしれませんが、あたご梨はかなり古い品種です。
誕生は1915年(大正4年)。
菊池秋雄という研究者によって命名されました。
名前の由来は、育成された場所が愛宕山(あたごやま)の近くだったから。
シンプルですが、なんだかいい名前ですよね。
長らく「二十世紀 × 今村秋」の交配と考えられていましたが、
その後の遺伝子解析によって、
現在は「天の川 × 長十郎」の組み合わせと推定されています。
100年以上前に生まれた梨の親が、
現代の科学で覆るというのも面白い話です。
産地は岡山県が全国のおよそ半分を占めていて、
西日本を中心に作られています。
どんな味?大きいけど大味じゃない
大きい果物って、
「大きいだけで味は薄いんじゃないの?」
と思われがちですよね。
あたご梨は違います。
- 果汁がとにかく多い
- シャキシャキ、シャリシャリした食感
- ほどよい甘さと、やわらかい酸味
- 果肉はやや粗めだけど、それが心地よい歯ざわりに
僕が感じるのは、「みずみずしさの暴力」です(笑)
一口かじると、口の中がジュースで満たされる感じ。
真冬の乾いた空気のなかで食べると、
これがまた格別なんですよ。
甘さは、幸水のような濃厚な甘さというより、
すっきりして後味が軽いタイプ。
大きいのに、意外とペロッと食べられてしまいます。
「冬にこんなみずみずしいものが食べられるのか」
という驚きが、あたご梨の一番の魅力だと思います。
食べ頃はいつ?ここが一番大事です
ここが、あたご梨でいちばん知っておいてほしいポイントです。
あたご梨は、収穫してすぐは酸味が強くて美味しくありません。
収穫は11月ごろ。
そこから追熟させることで、酸味が抜けて甘みが出てきます。
一般に市場に出回るのは12月上旬からです。
ただ、ここで安心してほしいことがあります。
この追熟は、農園がやってくれています。
うちが取引している工藤果樹園さんも、ある程度追熟を進めた状態で発送しています。
なので、届いたあたご梨は基本的にそのまま食べられます。
「自分で何週間も寝かせなきゃいけないの?」
という心配は不要です(笑)
もし「まだちょっと酸味が強いかな」と感じたら、
常温で数日置くと、さらに甘みが乗ってきますよ。
そして、あたご梨の真骨頂はここからです。
冷蔵保存が効くので、年明け〜2月中旬まで楽しめる。
うちが取引している三重・久居の工藤果樹園さんも、
冷蔵で11月から2月中旬まで出荷しています。
つまり――
お正月に、シャキシャキの梨が出せる。
これ、地味にすごいことだと思いませんか。
おせちに飽きた頃、
みずみずしい梨がドンと出てくる。
家族が集まる時期に、あの大きさですから、
場が盛り上がる果物でもあるんですね。
| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 11月ごろ | 農園で収穫。ここから追熟へ |
| 12月上旬〜 | 追熟済みで出荷。届いたら食べられる |
| 年末年始 | お正月の梨として最適 |
| 〜2月中旬 | 冷蔵で最後まで楽しめる |
※【参考】追熟という仕組みそのものについては、柿の記事で詳しく解説しています。
→ 柿の追熟のやり方!硬い柿を2〜3日でトロトロに
保存方法と、美味しい食べ方
保存は「冷暗所」で1ヶ月
あたご梨は、日持ちがとても良い梨です。
冷暗所に置いておけば、1ヶ月ほどもちます。
乾燥すると水分が抜けてしまうので、
新聞紙やポリ袋で包んでから、涼しい場所か冷蔵庫の野菜室へ。
夏の梨のように「早く食べなきゃ」と焦らなくていいのが、ありがたいところです。
切り方は、まず半分に
なにせ大きいので、いきなり8等分しようとすると危ないです。
まず半分。次に4等分。
そこから食べやすい大きさに切っていってください。
芯が大きめなので、少し大胆に取り除いてOKです。
食べ方のおすすめ
● そのまま冷やして
王道です。冷蔵庫で冷やしてからどうぞ。
● 大きいので、家族でシェア
1個で4〜6人分は余裕です。
「みんなで分ける」のが前提のサイズなんですね。
● 少し置いてから食べる
買ってすぐより、数日置いたほうが甘みが乗ることがあります。
香りが立ってきたら食べ頃です。
ふつうの梨(幸水・豊水)との違い
比べてみると、性格の違いがはっきりします。
| 比較項目 | あたご梨 | 幸水・豊水 |
|---|---|---|
| 大きさ | 約1kg(大きいと2kg) | 300g前後 |
| 旬 | 11月〜2月中旬 | 8月〜9月 |
| 甘さ | ほどよい甘さ・後味すっきり | 濃厚な甘さ |
| 酸味 | やわらかい酸味あり | 少なめ |
| 日持ち | 冷暗所で1ヶ月 | 数日〜1週間程度 |
| 用途 | 贈り物・お正月・大人数 | 日常のおやつ |
**夏の梨が「一人でサッと食べるもの」なら、
あたご梨は「みんなで囲むもの」。**
そんな違いがあります。
そして何より、旬の時期がまったく被らない。
夏に幸水を楽しんで、
秋にあきづきを食べて、
冬にあたご梨で締めくくる。
梨は、半年以上楽しめる果物なんです。
梨を最初から最後まで作る、工藤果樹園さん
最後に、うちが取引している農家さんの話を少しだけ。
三重県津市の久居(ひさい)地区にある、工藤果樹園さん。
園主の工藤正明さんが、親子三代60年にわたって梨を作られています。
この農園の面白いところは、
梨のシーズンを、最初から最後まで通して作っていること。
いちばん早い早生の喜水(きすい)から始まって、
新水、幸水、豊水、あきづき、と続き、
そして最後を締めくくるのが、このあたご梨。
リレーのように品種をつないでいるんですね。
「出始めから旬の終わりまで全部やっている」農園って、実はかなり珍しいんです。
僕はここが個人的にすごく好きで、
だから工藤さんの梨を扱わせてもらっています。
夏に食べた幸水と、冬に食べるあたご梨が、
同じ畑から来ている。
そう思うと、なんだか嬉しくなりませんか。
※【参考】工藤果樹園さんに直接お話を聞いた記事もあります。梨づくりの現場が見えますよ。
→ 【三重・久居の梨】親子三代60年「工藤果樹園」さんに、夏〜秋の梨づくりを聞いてきました
まとめ:お正月の食卓に、日本一大きい梨を
今日のお話を、まとめますね。
- あたご梨は日本一大きい梨。平均約1kg、大きいものは2kg
- 1915年(大正4年)命名。名前の由来は愛宕山
- 親は「天の川 × 長十郎」と推定されている
- 果汁たっぷりでシャキシャキ。後味すっきりで大味じゃない
- 収穫は11月。追熟は農園がしてくれるので、届いたらそのまま食べられる
- 冷蔵で2月中旬まで。お正月の梨として最適
- 冷暗所で1ヶ月もつ。日持ちの良さも魅力
「梨は秋で終わり」
そう思っていた方にこそ、あたご梨を知ってほしいです。
冬に、あの大きな梨を家族で分けて食べる。
シャリッとした食感と、あふれる果汁。
冬の食卓に、ちょっとした事件が起きます(笑)
うちのショップでは、三重・久居の工藤果樹園さんが育てたあたご梨を、
農家直送でお届けしています。
年末年始の贈り物にも喜ばれますよ。
※【参考】冬にはもうひとつ、忘れてはいけない梨があります。新潟の「西洋梨の貴婦人」です。
→ ルレクチェとは?食べ頃の見分け方と食べ方
本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!
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