フルーツショップ「ときわオンライン」の店長日記。旬のフルーツ、カット方法、保存方法、などフルーツ情報を書いています

果物語(くだものがたり)

ニューサマーオレンジ・日向夏・小夏は同じ品種?果物屋が歴史と違いをまるっと解説します

こんにちは、ときわオンラインのヨシハマです。

「ニューサマーオレンジ」「日向夏(ひゅうがなつ)」「小夏(こなつ)」。

こんな感じで、三つの名前が並んでいるのを見ると、

「え、これって全部違う品種なの?」

「同じだって聞いたことあるけど、本当に?」

って思いますよね。

実は私も、果物屋をやりながら最初はちょっとよくわからなくて(笑)。

今日はそのあたりをしっかりと解説していきたいと思います!

歴史・由来・各地での呼び名の違い…そして、そこから生まれた「子孫」たちまで、まるごとご紹介しますね。

 

※【参考】ニューサマーの食べ方などはこちらでまとめています
→ニューサマーオレンジの食べ方


結論から言います。3つとも「ほぼ同じ品種」です

ズバリ言います!

ニューサマーオレンジ・日向夏・小夏は、基本的に同じ品種の柑橘です。

じゃあ、なんで名前が3つもあるの?

ってなりますよね。

これが面白いんです。

一言で言うと、「生まれた場所は一緒なのに、各地に広まった先で別々の名前がついた」という話なんです。

同じ親から生まれた子が、引っ越し先ごとに違う名前で呼ばれるようになった…みたいな感じ。

この柑橘が生まれた経緯から、一緒に辿ってみましょう!


誕生は江戸時代。宮崎のとある屋敷の庭で

さっかのぼること、江戸時代の文政年間(1820年頃)のことです。

宮崎県宮崎市の旧赤江村・城ヶ崎というところに、「真方安太郎(まかた やすたろう)」という方がいました。

その方の邸宅の庭に、どこからともなく自然に実を結んだ木があって。

「これ、なんか変わった柑橘だな?」

と気づいたのが始まりとされています。

誰かが意図的に育てたわけでもなく、交配したわけでもなく、自然にひょっと生まれてきた——いわゆる「偶発実生(ぐうはつみしょう)」という形での誕生です。

ちなみに、品種の起源については長い間謎が多かったんですが、近年の遺伝子解析によって、花粉親はタチバナである可能性が高いと推定されています。

ただし、種を提供した親(種子親)については、まだはっきりとはわかっていません。

長らくは「ユズの突然変異種」とも言われてきましたが、現在もその全貌は解明途中という、なかなかミステリアスな生い立ちを持つ柑橘なんですよ(笑)。


「日向夏」と名付けたのは、高知出身の学者さん

さて、宮崎で発見されたこの柑橘。

しばらくは地元でひっそりと栽培されていたんですが、明治20年(1887年)に大きな転機が訪れます。

高知県出身の植物学者・田村利親(たむら としちか)氏が、この柑橘と出会い、正式に「日向夏蜜柑(ひゅうがなつみかん)」と命名したんです。

「日向(ひゅうが)」というのは、宮崎の旧国名。

つまり「日向の大地で育った夏の柑橘」という意味で、この名前がついたわけです。

学名は「Citrus tamurana Hort. TANAKA」と命名されており、田村氏の名前が残されています。

そして、ここからが重要なポイント!

田村氏は高知県の出身だったので、「これはぜひ故郷にも!」と、日向夏の苗木や穂木を高知県に送ったんです。

これが、高知での「小夏」の始まりです。


各地に広まって、それぞれ別の名前がついた

田村氏が日向夏を広めたことで、この柑橘は日本各地に少しずつ広まっていきます。

そして、広まった先それぞれで、こんな名前がついていきました。

宮崎県 → 「日向夏(ひゅうがなつ)」

発祥の地である宮崎では、田村氏が命名した「日向夏」がそのまま使われています。

現在も宮崎県の代表的な特産品のひとつとして、県民に愛されています。

高知県 → 「小夏(こなつ)」

高知では、田村氏から送られた日向夏が栽培され、やがて地元の流通名として「小夏」と呼ばれるようになりました。

比較的小ぶりな実が高知では好まれたことや、ほかの柑橘区分との兼ね合いで「小夏」という名が定着したと言われています。

また、高知では「土佐小夏」として流通することも多く、地域をあげての特産品として育てられていきました。

愛媛県・静岡県など → 「ニューサマーオレンジ」

宮崎や高知以外の地域、とくに愛媛県や静岡県などでは、「ニューサマーオレンジ」という洋風の名前で広まりました。

「夏の訪れを告げる新しい柑橘」というニュアンスを込めたこの名前、なんかオシャレですよね。

愛媛県には1830年頃に導入されたとされており、温暖な気候が合っていたため、現在でも主要な柑橘の一つとして栽培されています。

※【参考】同じ初夏の柑橘として人気の八朔についても、詳しく解説しています。気になる方はぜひ。
→ 八朔の皮、捨てないで!栄養満点な「八朔ピール」の魅力と、苦い皮が「ご褒美おやつ」に変わる話


じゃあ「同じ品種」なのに、なんで味が微妙に違うの?

ここでちょっと気になりませんか?

「3つとも同じ品種なのに、食べ比べると微妙に違う気がする…」

実はこれ、正しい感覚なんです!

基本は同じ品種なんですが、それぞれの地域で長年栽培を続けているうちに、「枝変わり(えだがわり)」と呼ばれる自然な変異が起きることがあります。

枝変わりとは、木の一部の枝が突然変異して、少し違う性質を持つようになる現象のこと。

その変異した枝から苗を作れば、また少し違う系統の木が生まれるわけです。

これが長年・各地で繰り返されてきたので、「基本は同じ品種だけど、地域ごとに微妙に個性が違う」という状況になっているんですね。

たとえば土壌・気候・栽培方法の違いも影響しますし、「同じ品種でも産地で味が違う」のはごく自然なことなんです。


日向夏・小夏から生まれた「子どもたち」の品種

長い歴史の中で、日向夏・小夏・ニューサマーオレンジには枝変わりや品種改良によって、いくつかの「子孫」とも言える品種が生まれています。

代表的なものをいくつかご紹介しましょう!

オレンジ日向

日向夏の枝変わりとして誕生した品種です。

通常の日向夏が黄色い果皮をしているのに対し、オレンジ日向は果皮がオレンジ色に着色するのが大きな特徴。

見た目が華やかなので、贈り物にも喜ばれています。

宿毛小夏(すくもこなつ)

高知県宿毛市で発見された日向夏の変異種です。

通常の日向夏/小夏と比べて、酸味が少なく、成熟が早いという特徴があります。

食べやすさが増したことで、高知の小夏の中でも人気の系統として定着しています。

土佐小夏(西内小夏・松岡小夏など)

高知県では、日向夏を起源とする枝変わりがいくつも育てられており、「西内小夏」「松岡小夏」などの名が残っています。

産地や農家さんの名前がついていることも多く、こうした品種が「土佐小夏」としてまとめて流通しています。

高知ならではの丁寧な栽培と気候が生んだ、地域の誇りとも言える品種たちです。


まとめ:同じルーツを持つ3つの柑橘、ぜひ食べ比べてみて!

いかがでしたか?

ニューサマーオレンジ・日向夏・小夏の3つ、見事に同じルーツを持つ柑橘だったんですよ!

もいちど整理すると、こんな感じです。

呼び名 主な産地
日向夏(ひゅうがなつ) 宮崎県
小夏(こなつ) 高知県
ニューサマーオレンジ 愛媛県・静岡県ほか

どれも、江戸時代に宮崎の庭先でひっそり生まれた、あの木から始まった柑橘です。

長い旅をしながら各地で愛され、少しずつ個性を育てながら今に至る。

そう思うと、なんだかロマンを感じませんか?(笑)

もし産地の違うものを食べ比べる機会があれば、ぜひやってみてください!

同じ品種でも、「あれ、ちょっと違うな」という発見があるかもしれません。

ときわオンラインでも、ニューサマーオレンジを取り扱っています。

「気になった!試してみたい!」という方は、ぜひのぞいてみてくださいね。

→ニューサマーオレンジはこちら(ときわオンライン)

本日は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ときわオンラインのヨシハマでした。
それでは〜!

このサイトは、農家直送のフルーツショップ「ときわオンライン」が運営する、フルーツお役立ちサイトです。

ショップでは、安心安全にこだわった農家さんの『無農薬フルーツ』やスーパーに出回ることのない『新品種のフルーツ』など取り揃えています。ご興味があれば見にきて下さい。

ときわオンライン(ショップ)はこちら